ママ友の信じられない言葉
長女が4歳だったころのことです。娘が通うスイミングクラブで親しくなったAくんママから「今度、うちに遊びに来ない?」と声をかけられました。いつも元気いっぱいで、プールでは大騒ぎしている、娘のひとつ年上のAくん。そして、Aくんママは周囲を気にせず、大きな声で叱るタイプでしたが、それでも毎週会えば自然と会話も増えていたので、せっかくのお誘いということもあり受けることに。
招かれた当日。当時0歳の次女を実家に預け、私と長女はAくん宅へ向かいました。するといきなり玄関でAくんは、私の手から手土産の紙袋をひったくるように奪い、そのまま家の奥へ走っていったのです。驚いている間に、お菓子の包装を次々と開け、個包装のお菓子が床に散乱していました。しかし、Aくんママは「A!! 何してるの!!」と怒鳴ったあと、すぐに「あ、でも中身は無事ね。なら大丈夫か」と軽く流してしまったのです。
おやつを食べると、子どもたちはおもちゃ部屋へ。しかし、様子を見に行くと、そこにはムスッとした表情の長女がまるで観客のように座り、Aくんが遊ぶのを“見せてもらっている”だけの光景が広がっていました。ところがAくんママはまた軽く「かっこいいとこ見せたいのよね~」と微笑むだけ。
リビングへ子どもたちと戻っても、Aくんのいやがらせのような行為は続きました。娘が積み上げたブロックを無言で蹴り倒したり、娘が自宅から持ってきて使おうとしたおもちゃを、力ずくで奪い取ったり……。しかしAくんママは「うちの子、ひとりっ子だからか、わがままでさ~! 正直もう諦めてる!」と本気で止めようとはしません。さらには「でもむしろ〇〇ちゃん(娘)のほうが妹ちゃん生まれたから、いろいろ我慢も覚えないといけないわよね」としれっと長女に我慢させることが当たり前のように言うのです。
私は「まあ4歳ですし、これからですかね」と苦笑いし、不満そうな幼女を「Aくんも使いたかったんじゃない? 貸してあげよっか」などとなだめながらその場その場をしのぎます。しかしついに、娘が「いやだぁ!」と泣きじゃくります。その様子にAくんママは「〇〇ちゃん(娘)、もうすぐ年長さんよね。その次は小学校へ行くでしょ? 泣いて解決しようとするのは甘えよ。今のうちに我慢を覚えないと、学校でいじめられるのは〇〇ちゃんなのよ?」と娘にだけ言い放ったのです。
自分の息子に対しては「仕方ない」で済ませるのに、他人の子に対してだけ「甘え」と厳しく叱責するAくんママの態度に、さすがの私も我慢の限界でした。「待ってください。年上の子に一方的に攻撃されて耐えることが、小学生への準備だとは思いません。これ以上ここにいても娘のためにならないので、帰ります」ときっぱり伝え、私は長女の手を取って帰宅。Aくんママの表情は見えませんでしたが、「はぁ?」と言う声だけが聞こえました。
「ごめんね、無理やり帰っちゃって」と長女に言うと、「ううん、いいの」と小さく返してきて、「もう遊びたくないな」という長女の言葉に、私はA親子と距離を置こうと決心しました。
子ども同士のトラブル以上に、親の価値観の違いが浮き彫りになった今回の件。その後、A親子とはスイミングクラブ以外では会わず、距離をとったお付き合いをするようにしています。AくんやAくんママからの謝罪もありませんが、トラブルを蒸し返すことはしないと決めました。
大人同士の関係を円満に保つことも大切ですが、それが子どもの無理の上に成り立っていては本末転倒だと感じました。価値観の違いに気づいたとき、相手と適度な距離をとる選択もまた、親として子どもの笑顔を守るために大切な判断だと学んだ出来事でした。
著者:工藤あゆみ/40代・会社員。15歳と11歳の女の子のママ。コンビニスイーツにはまって新商品を楽しみに待つ毎日を送っている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)