前の席の乗客から告げられた予想外のひと言
当時、下の子は1歳で、歩きたい盛り。さらに4歳と5歳の息子たちは、しょっちゅう喧嘩をする時期で、移動中はとにかく大変でした。私は早速、にぎやかになり始めた4歳と5歳の息子たちにお菓子を渡し、ぐずる1歳の子を必死に寝かせようとしていました。
すると、ひとつ前の席の方から「すみません……気づいていないかもしれませんが……」と声をかけられました。返事をすると、その方が申し訳なさそうに「あの、おやつが全部転がってきています……」と教えてくれたのです。
「えっ?」と思い、息子たちのほうを見ると、渡していた丸いラムネがすべて床に転がっており、袋の中は空っぽになっていました。おそらく、ひとつ前の席だけでなく、かなり遠くまで転がっていってしまったようで、私は一瞬で絶望……。
ひとりではどうにもできず、車掌さんに事情を伝えました。すると車掌さんは、「大丈夫ですよ。おひとりで3人のお子さんを見ていて大変ですね」とやさしく声をかけてくださったのです。「ひとりで頑張らなきゃ」と張り詰めていた気持ちが少しゆるみ、泣きそうになったことを覚えています。
その後、周囲の方に謝りながら、拾える範囲のお菓子を必死に拾いました。子どもたちとの新幹線移動は、準備をしていても思い通りにいかないことばかり。それ以来、転がりやすいお菓子は避けるようになりました。
◇ ◇ ◇
子どもを連れての移動は、どれだけ準備をしていても、思いがけないハプニングが起こりますよね。困っているときにかけてもらったやさしい言葉は、張り詰めた心をふっと軽くしてくれるもの。周囲への配慮を忘れず、何かあったときは車掌さんなどに事情を伝え、ひとりで抱え込まないようにしたいですね。
著者:丸山ゆか/30代 女性・会社員。6歳、9歳、10歳の元気いっぱいな3人の子どもを育てる、フルタイム勤務のママ。
イラスト:ホッター
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)