プロポーズ後、初めての義実家へ
彼とは6年間交際し、そのうち2年間同棲していました。「そろそろかな」と思っていたタイミングでプロポーズされ、本当にうれしかったのを覚えています。
その数日後、彼の実家へあいさつに行くことになりました。
義両親は以前に何度かお会いしたことがありましたが、どちらかといえば口数が少なく、穏やかな印象の人たち。私も少し緊張しながら食卓を囲みました。
ところが食事が始まると、それまで無口だった義両親は別人のようによくしゃべるようになり、私たちの将来について次々と話し始めたのです。
次々と決められていく私たちの未来
「賃貸は更新しなくていいよね」
「こっちで中古マンションを探してあるから」
突然そんな話が始まりました。
私は他県で仕事をしていたため、「仕事もあるので、そこは今後相談させてください」と伝えました。
しかし話は止まりません。
「子どもができたら私たちが育てるから、あなたはたくさん働きなさい」
「家族の誕生日は毎年みんなでお祝いしましょう」
住む場所も、子育ても、家族との付き合い方も、私の気持ちを確認することなく次々と決まっていきます。
幸せな結婚生活を想像していたはずなのに、気づけば胸の中は不安でいっぱいになっていました。
帰り道、彼から聞いた言葉
義実家を後にし、ようやく彼と二人きりになりました。私は戸惑いを隠せず、「急にいろいろ決まっていて驚いた」と伝えました。すると彼は、「うちの親は、家族みんなで支え合うのが当たり前だと思っているんだ」と当然のように口にしたのです。
帰宅しても義実家での出来事が頭から離れませんでした。私が怖かったのは、住む場所も子育ても、私の意思とは関係なく決められていくことです。
このまま結婚すれば、これから先も同じことの繰り返しになる──そう考えた途端、幸せな未来よりも「逃げたい」という気持ちのほうが大きくなりました。
そして、私は彼に別れを告げ、結婚の話を白紙にしました。当時はプロポーズを受けたばかりだったこともあり、別れを告げるのはとてもつらかったです。それでも、結婚前だったからこそ、お互いの価値観の違いに気づき、離れることができました。
その後、私は別の人と出会い、結婚しました。住む場所や子育てなど、大切なことは夫婦で話し合いながら決めています。
家族との距離感に正解はありません。しかし、お互いの気持ちを尊重しながら人生を築いていける相手と出会えたことを、今は幸せに思っています。
著者:伊東莉子/30代女性・小学生の息子を育てる母。趣味はガーデニングと息子とゲームをすること。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)
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