慣れない土地で子育て支援施設へ通う日々
保育園へ入園する前、当時1歳の娘を連れて、市が運営する子育て支援施設「未満児のつどい」に毎日通っていました。当時の娘は、人見知りと場所見知りがとても激しい子でした。つどいに行っても、私にしがみついたまま床へ降りることもできず、泣いて帰る日も少なくありませんでした。
それでも、知り合いが1人もいない土地で育児をしていた私は、「私も娘も少しずつ慣れればいい」と自分に言い聞かせながら、毎日出かけていたのです。市内に設けられたすべてのつどいに参加し、娘が一番穏やかに過ごせる場所を探していました。
そして、ようやくお気に入りの場所を見つけたのです。そこでは、先生方もやさしく見守ってくださり、娘も少しずつ笑顔で遊べるようになっていきました。
見知らぬママ友グループの子どもに娘が叩かれて…
そんなある日、30代くらいの3人組のママ友グループがやってきました。驚いたことに、その3人は子どもと遊ぶようなことはなく、大声でおしゃべりに夢中。部屋の真ん中でプレゼント交換を始め、ラッピングした品物を見せ合いながら、楽しそうにわが子の自慢話をしていました。
その間、ママ友グループの3歳くらいの男の子3人は、自由に歩き回ってほかの親子のおもちゃを取ったり、押したり叩いたりしていたのです。しかし、ママ友グループはおしゃべりに夢中で、一切子どもたちを見ていません。トラブルがあるたび、先生方が子どもたちに「やめようね」と声をかけていました。
その様子を見て「娘に何かあったら大変だから、早めに帰ろうかな」と思っていた矢先に、ママ友グループの3歳くらいの男の子が娘に近づき、音の鳴る柔らかいスティック状のおもちゃで娘の頭を思い切り何度も叩いてきたのです!
叩くのをやめさせたら…まさかの加害者扱い
突然の出来事に驚きましたが、私は男の子が叩くのを止めながら娘を抱き寄せ、「叩いたら悲しいな」と男の子に穏やかな口調で伝えました。すると、男の子は突然「ママー!あのおばさんに怒られたの! とっても悲しいの」と私を指さしながらウソ泣きを始めたのです。
すると、その声を聞いた男の子のお母さんはおしゃべりをやめて、血相を変えて男の子に駆け寄り、ギュッと抱き寄せました。その直後、こちらをキッとにらみつけながら、「うちのかわいい子に何をするんですか!」と大声で怒鳴り始めたのです。
他のママ友たちも男の子とお母さんに駆け寄り、「そうですよ、公共の場所で怒り散らすなんてありえないよね? おかしいよ、あの人」とクスクス笑いながら嫌みを言ってきました。
私は一瞬、何が起きたのかわかりませんでしたが、「息子さんが私の娘をおもちゃで何度も叩いてきたので、やめてほしいと伝えました」と、なんとか事実を伝えました。
後日知らされたママ友グループの末路
すぐにつどいの先生が間に入り、事情を説明してくれましたが、ママ友グループは納得していない様子。「私たちはその場を見ていないので、何とでも言えますよね?」という主張に、私は言葉を失いました。
泣きじゃくる娘を抱きしめながら、ただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった私。あまりにも悔しくて、先生に「今日は帰ります」とだけ伝え、足早にその場をあとにしたのでした。
その後、その親子を含むママ友グループをつどいで見かけることはなくなりました。後日、先生からは「あのグループは出入りをお断りすることになりました」と聞き、さらに「あの日はつらい思いをさせてごめんなさいね」とやさしく声をかけていただき、その言葉にとても救われました。
私は、子ども同士のトラブルも成長の過程で起こり得ることだと思っています。だからこそ、大人がきちんと見守り、必要なときに教えることが大切だと感じます。「子育てで本当に大切なのは、子どもへの関わり方だけでなく大人の姿勢なのだ」と考えさせられた、忘れられない出来事です。
著者:田中ゆき乃/30代女性。2021年生まれ、2025年生まれの娘、夫の4人暮らし。作業療法士として医療現場で7年間勤務後、出産を機に退職。現在は在宅で仕事に取り組んでいる。趣味はカメラで家族写真を撮ること。
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)