「うーん」遠い目をして固まり、片づけ放棄!
息子が小学校に入学し、初めてできたお友だちがAくんでした。最初は「仲良くしてね」と微笑ましく見守っていましたが、彼が遊びに来る日は、わが家は戦場と化します。その理由は、Aくんがとにかく次から次へとおもちゃを出して遊ぶからです……。それだけなら「子どもだし……」と思えるのですが、問題は後片づけでした。
帰宅時間が迫り「Aくん、もうすぐお迎えだから一緒にお片づけしよう?」と私が声をかけると、Aくんは持っていたおもちゃをポイッと放り投げ、窓の外を見つめながら「う~ん……」。遠い目で生返事をするだけで、手はピクリとも動きません。結局、息子と2人で必死に片づけている横で、彼は悠々と靴下を履き、「バイバーイ!」と迎えにきたママと一緒に笑顔で帰っていくのです。1度や2度ではなく、毎回そうなので、私のストレスは限界に達していました。
そんなある日、Aくんはまたもやおもちゃ箱をひっくり返したような惨状を作り上げました。「Aくん、今日こそ自分が出したものは自分で片づけようよ」と促しましたが、やっぱり今日も、あのやる気のない返事で動きません。私が「片づけないと、次はもう遊べないよ」と少し強めに注意すると、彼は面倒くさそうにひとつだけブロックを拾い、片づけるふりをするだけ。そして「あ、ママ来たから帰るねー!」と玄関へダッシュします。
そこには、スマホをいじりながら「すみませーん、お世話さまでしたぁ」と、子どもそっくりの適当なあいさつをするAくんママの姿が。足元に散らかる惨状を見て見ぬふりをするAくんママにひと言言いたかったものの、入学したばかりで今後のママ友関係や息子の学校生活に角が立つのが怖く、どうしても口に出せません。結局、引きつった笑顔で「はーい、また遊ぼうね」と愛想笑いを浮かべ、飲み込むことしかできませんでした。
そのとき、後ろから「ちょっと待ち! あんた、人の家をゴミ溜めみたいにしたまま帰るつもりか!」と声が聞こえてきたではありませんか。それは、ちょうど野菜を届けに来た近所に住む私の実母でした。元・中学校教師で、近所でも有名な「雷おばさん」の実母。うちに到着するやいなや、玄関先から見える悲惨な部屋の中を見て、思わず怒鳴ったのでした。
母はさらに「片づけもできない子は、よその家で遊ぶ資格なし。今すぐ全部戻しなさい! お母さんも、子どもがこれだけ散らかして何もしないなんて、恥ずかしくないの?」と一喝。その迫力に、Aくんママはスマホを落としそうになります。Aくんは驚いた顔で「ご、ごめんなさい!」と言い、見たこともないスピードで今にも泣きそうになりながら片づけを始めたのです。
その間、Aくんママは私の母に「親のしつけ」について10分ほどお説教を食らい、親子で真っ赤な顔をして帰っていきました。それ以来、Aくんがわが家に来ることはめっきり減り、外で遊ぶことが増えて私のモヤモヤは解消。「近くにあんなにハッキリ言ってくれる人がいてよかった」と、今では母に感謝しています。
角が立つことを恐れて何も言えず、なあなあにしていたことを反省すると同時に、他人の家でのマナーは子どものうちに教えるべき大切なことなのだと痛感。私も自分の息子に対して、しっかりとよそでのマナーを教えて行こうと改めて思った出来事です。
著者:佐野千佳/30代・パート。8歳の息子と4歳の娘を育てながら、週5回パートに出るワーママ。自分のしたいことも楽しむアクティブ系女子。真面目でやさしく研究熱心な息子と、ポジティブで明るくひょうきんな娘に癒やされる日々を送っている。
作画:sawako
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)