フードコートで席待ちの圧
私たちはうどんを買って家族で分けようと思い、子どもたちを連れて列に並びました。すると、なぜか1人の男性が「お先にどうぞ」と言い、オーダーの順番を譲ってくれたのです。
気持ちは大変うれしかったのですが、まだメニューを決め切れていなかったので焦ってしまいました。せっかくの厚意を断るのも申し訳ないので先に行かせていただきましたが、結局無難なかけうどんを頼むことになり、そのあとで「たまごの天ぷらもあったのか」と気づき、複雑な気持ちに。メニューを決めてから並ぶべきだったと、後悔しました。
購入したうどんを持って席に座ると、どうやら私たちが座った席がちょうど最後の空席で、フードコートは満席となったようです。家族みんなでかけうどんを食べてみると、それだけでもおいしかったので、みんな笑顔になり楽しい気分になったのですが……。
ふと顔を上げると、先ほどの男性が子どもと奥さんを連れて席の近くに立ち、じっと待っているのです。しかも、少し離れて待つのではなく、かなり近くで立ち続けられ……。
しばらくすると男性がボソッと「さっきは譲ってあげたのに、急ごうという気はないのか……」とひとりごとのように呟きました。小さな声でしたが、しっかり聞こえていました。「あのときは先に行けと言って、今度は早く席を空けろってこと?」と内心不満を抱き、最悪な気分になってしまいました。
すると夫が男性に向かって穏やかに、しかしはっきりと話しかけました。「さっきは譲ってくださってありがとうございました。ただ、子どももいるのでまだ少し時間がかかります。それに、こんなに近くで待たれていると子どもが萎縮してしまって、かえって食べるのが遅くなってしまうんです。申し訳ないのですが、もう少し離れて待っていただくか、別の席を探していただけると助かります」と伝えたのです。
男性は一瞬言葉に詰まり、やがて周囲の冷ややかな視線が自分に集まっていることに気づいたのか、気まずそうに「あ……すみません」と小さく言い、奥さんと子どもを連れて離れた場所へと移動していきました。
この出来事を通じて、誰かに親切にしたからといって、それが相手への見返りを求める権利にはならないのだと感じました。また、不快に感じたことは穏やかでもはっきり伝えることで、相手も気づけることがあるのだと実感しました。公共の場でのマナーや思いやりは、お互いが気持ちよく過ごすために欠かせないものだと、改めて感じた出来事でした。
著者:原田 千代/30代女性・主婦
2人の兄弟を育てる母。毎日ワンオペだが、パワフルに頑張っている。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
※AI生成画像を使用しています
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