登校班に来ないので保護者に連絡をした結果
子どもが小学校に通っていたころ、登校班がありました。朝の8時30分までに学校へ着かなければいけないので、8時には集合場所を出発する決まりです。なかなか来ない児童がいると班長が家まで呼びに行くこともあり、朝の数分をやりくりするのはなかなか大変でした。
ある日の朝、8時を過ぎても同級生が1人現れませんでした。班長といっても小学生の息子だけでは対応しきれないので、保護者である私から、その子のお母さんのスマホにLINEを入れました。「今日はどうされましたか」と、いつでも出発できるように様子をうかがったつもりです。
けれども、返信はありません。何度かLINEを送っても、既読すらつかない状態でした。とはいえ、1人を待って班全員を遅刻させるわけにはいきません。返事を待つ時間もないので、登校班は先に行かせようと思ったときのことです。
やっと返信が来たと思って開いてみると、そこにあったのは、ご家族そろって満面の笑みでテーマパークに立っている写真でした。添えられていたメッセージは「おはようございます。実は今日、某テーマパークにいます!」の一言だけ。謝罪の言葉はありませんでした。
その瞬間、頭に浮かんだのは怒りというより「そうだったんですね」という戸惑いでした。連絡がつかなかったのはお休みだったからなのだと、状況はのみ込めました。ただ、登校班の集合時間に一言もないまま、これほど楽しそうな写真が返ってくるとは思わず、どう受け止めればいいのか少し困ってしまいました。
この出来事をきっかけに、私たちの登校班には「誰が来ていなくても、時間通りに出発する」という暗黙のルールができました。誰かを責めるためではなく、ほかの子どもたちを遅刻させないための線引きです。呼びに行くのも待つのも、結局は限られた朝の時間の中で誰かに負担がかかります。だったら決まった時間で動こうと、自然にそうなっていきました。
思い返せば、その親子は普段から少し時間にルーズなところがありました。後日、郊外活動の保護者付き添いに自分から立候補したのに、30分以上遅れて来られたこともあります。理由を尋ねると、道で会った隣人と立ち話をしてしまったとのことでした。悪気があったわけではないのだろうと思います。
そんな出来事が重なって残ったのは、相手を変えようとするより、こちらのルールをはっきり決めておくほうがずっと気持ちがラクだという気づきでした。時間通りに出発すると決めてからは、朝の誰かを待つそわそわした気持ちがなくなりました。人との距離の取り方を、あの1枚の写真から教わったような気がしています。
著者:酒田佳代子/50代女性/結婚24年目のパート主婦。義母と同居。趣味はアニメとドラマ鑑賞。職業は塾の講師
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)
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