年配の男性に文句を言われ…
わが家のそばには公園があり、近隣住民が集まって、定期的に清掃を行っています。普段は夫が清掃に参加していますが、たまたま出張が重なってしまった日がありました。そのため、私が当時6歳の長男と5歳の長女を連れて、朝7時からの清掃に参加することに。
幼い子どもを2人連れての準備は大変です。なんとか集合時間ギリギリに到着した私たち。しかし、すでに来た人たちで掃除を始めており、私は急いで輪に加わりました。
清掃作業を始めて早々、近所に住む気難しいことで有名な年配の男性が、私を睨みつけながら近づいてきます。そして「ギリギリすぎるぞ! それにこんな小さい子どもを連れてきて、邪魔なんだよ!」「どうせ子どもを言い訳に、掃除をさぼる気だろう!」と怒鳴りつけました。周囲も男性の剣幕に圧倒され、見て見ぬふりです。私は「いやいや……」と言いつつ、これは行動で示すしかないと思いました。驚いている子どもたちに「大丈夫だよ」と声をかけ「よし! じゃあ、この袋にゴミをいっぱい集めよー!」とゴミ拾いに集中することにしたのです。
夢中でゴミを拾う子どもたち。その様子を見た近所の老婦人たちが「偉いわねー!」「一生懸命頑張ってるわね!」と声をかけてくれました。すると、先ほどの男性がまた近寄ってきて「子どもがちょっと動いたくらいで大げさ! どうせ大したもん拾ってないだろ」と吐き捨てるように言ってきます。私が「ちゃんと掃除しているのに、これ以上どうしたら……」と困っていると、最初は男性を避けていた老婦人たちが一斉に反論!「ちょっとじゃないわよ!」「あんたこそ、さっきから口ばっかりで全然掃除してないじゃない!」と一喝してくれたのです。見ると、たしかに男性の持つ小さいビニールには吸い殻がひとつ入っているだけ。一方の私たちは、ペットボトルやお菓子の袋などでビニールはいっぱいです。
ちょうどそのとき、公園の別エリアの清掃活動をしていた地域の子ども会の一団が早めに終わったようで手伝いにきてくれました。男性は舌打ちをしながら「うるさいガキが来たよ……ったくあいつらどうせ遊んでばかりでろくに掃除しねえんだ」とブツブツ言っていましたが、見ると、子どもたちの手にはいっぱいのゴミが……。男性が「邪魔だ」と軽視していた子どもたちが活躍している様子が見て取れる光景でした。
さらに、息子と娘が「おじいちゃん、ゴミ少ないね?」「しんどくて拾えないの? じゃあ分けてあげる!」と無邪気に追い打ちをかけます。老婦人たちに「まぁ、やさしい!」と褒められ、うれしそうなわが子たち。男性はいたたまれなくなったのか「やめろ、いらん! わ、悪かったな!」と言い残し、逃げるようにその場を去っていきました。
その後「最初、助けてあげられなくてごめんなさいね」と謝罪してくださった老婦人たち。おかげで、温かい気持ちで清掃を終えられました。この一件以来も、何度か子連れで清掃に参加しましたが、男性から悪態をつかれることはありません。
子どもたちの純粋さが、図らずも反撃になった今回の出来事。もちろん拾ったゴミの量だけで判断してはなりませんが、真面目に取り組んでいれば、それを誰かが見てくれていると感じました。これからも、子どもたちが堂々とした姿勢で正しい行動ができるようにサポートしていこうと思います。
著者:伊東杏/30代・ライター。わが道を行く7歳の息子と、ひょうきんな5歳の娘を育てる母。夫は理屈屋。「ていねいな暮らし」に憧れ、いつか自分も……と夢見ている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)