実家からの果物を欲しがるママ友親子
その後、Aさんから「岡山って果物が有名なんだよね。他にはどんなのが送られてきたの?」と聞かれました。正直に「マスカットとピオーネも来たよ」と伝えると、一気にテンションが上がって、「ピオーネもマスカットも大好き!」とうれしそうに言ってきました。Aさんの子どもまで大喜びだったため、その場の雰囲気で出さないわけにもいかず、ピオーネとマスカットも仕方なく振る舞うことにしました。ただ、そのときは正直なところ、図々しい親子だなと感じて少しイライラしてしまいました。
それからというもの、子どもの送迎などでAさんと会うたびに、「果物届いた?」「マスカット、おいしかったね」と言われるようになり、さらにAさんの子どもからも「マスカット食べたい」とおねだりされるように。一度振る舞ってしまったせいで期待されているのだと思うと、少し居心地の悪さを感じました。そのたびに、心の中で少し罪悪感を抱えつつも「果物はまだ届いてない」などと嘘をつくようになりました。
そんなある日、数人のママ友と公園で集まっていたときのことです。Aさんの子どもがまた「マスカット食べたい! おばちゃんちに行く!」とおねだりを始めました。Aさんも「ね~、最近ご実家から果物届いた? うちの子がどうしても食べたがってて」とニコニコしながら言ってきたのです。
すると、その場にいた別のママ友Bさんが、少し驚いた様子で「え、ちょっと待って。それって○○ちゃん(私)のご両親が、○○ちゃんとお子さんのために送ってくれたものだよね? それをほしがるのって、さすがに非常識じゃない? お子さんが食べたがってるなら、自分で買ってあげたら? マスカットもピオーネもスーパーで売ってるよ?」と、はっきり言ってくれたのです。
ママ友は「い、いや、えっと……」と顔を赤くして口ごもり、子どもの手を引いて「用事あるから帰るね!」と足早に立ち去っていきました。
私はその場でBさんに「ありがとう。ずっと言いにくくて困ってたから、本当に助かった」と伝えると、Bさんは「自分じゃ言いにくいよね。助けになれてよかった!」と笑顔で返してくれました。それ以来、Aさんから果物の話題を振られることはなくなり、やっとすっきりした気持ちで過ごせるようになりました。
この経験を通じて、一度の親切が相手の中で「当たり前」になってしまうことがあるのだと痛感しました。最初の段階でじょうずに線引きができていれば、嘘をついてまでごまかす必要もなかったかもしれません。
親切にすることと自分の負担を考えることのバランスが大切ですし、Bさんのようにさりげなく助けてくれる存在のありがたさ、大切さを改めて感じました。身近な人への感謝を忘れず、自分も誰かが困っているときにはBさんのように助けられる人でありたいと思った出来事でした。
著者:宮間 直子/30代女性・会社員。6歳の息子を育てる母。趣味はサブスクで映画を見ること。
作画:ゆる山まげよ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年9月)
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