知らない人に連れて行かれた理由は…
何事かと振り返ると、50代くらいの見知らぬ女性が立っていました。彼女は周りの様子を気にしながら私の腕をそっと引っ張り、隅のほうへ連れて行きます。突然のことに私は困惑。一体何なのだろうと不安になっていると、その女性は耳元でそっとささやきました。
「スカートの裾が、下着の中に入っていますよ」
その瞬間、血の気が引くような思いでした。慌ててスカートを直そうとすると、確かに裾が下着の中にすっぽり入っていたのです。まさかその状態でデパートのトイレを出て、歩き回っていたのかと思うと、顔から火が出るような恥ずかしさに襲われました。すぐにお礼を言うと、女性はにっこりほほ笑んで去っていきました。
あのままデパートを歩き続けていたらと想像するだけで、今でもゾッとします。声をかけてくれた女性のやさしさと、周囲に気付かれないよう隅に連れて行き小声で話してくれるという配慮に、心から感謝しました。
人に恥をかかせないように勇気を出して声をかけることは難しいと思いますが、この経験から、私も見過ごすべきではないと感じたときは、きちんと行動に移せる人になりたいと強く思いました。
著者:鈴木順子/50代女性・会社員/20歳の息子と暮らす母。ずっと専業主婦だったが、息子が大きくなったため社会に復帰。最近の楽しみは、お金を賭けずに競輪を観戦すること。
イラスト:さくら
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています