マウントを取ってくる高収入の姉
私には2つ年上の姉がいて、私も姉も定期的に実家に行っています。姉夫婦はいわゆるパワーカップルで、私たち夫婦よりも経済的に余裕のある家庭。私は初め、姉との格差をあまり気にしていませんでしたが、お互いが5年前に女の子を出産してからは、姉にマウントを取られるようになりました。
例えば、実家に集まったときに「うちの子は質の高い教育を受けさせてるから、漢字も英語もバッチリ。小学校受験も必須。もっと先行投資してあげなきゃ」と言われたり、「どこにも旅行に行ってないの? 子どもに本物を見せないと」と大げさに言われたり……。私は姉がマウントを取る発言をするたびに嫌な気分にはなるものの、「姉との関係を悪くしたくない」という思いから「……うん。そうだね」と話を合わせていました。
そんなある日、毎年恒例の祖母の誕生日会を、実家ですることになりました。私は実家のキッチンに立ち、祖母の好きな煮物や唐揚げを作ることに。一方、姉はブランド服に身を包み「これ、○○の新作なの。料理なんてしたら服が汚れるし、臭いもつくじゃん」と手伝う気がまったくない様子です。「おばあちゃんの誕生日なのに手伝わないの?」とモヤモヤする私。
「じゃあ、テーブルをセッティングしたりお皿を並べたりしてくれない?」と頼むも「ネイルが傷付くから他の人にお願いして」と、やる気のない態度を取るのでした。そんな姉に私も母も呆れ、少し離れたソファから見ていた祖母も、気まずそうな顔をしています。その後、親戚が集まり誕生日会がスタート。手作り料理を囲んで和気あいあいと会は進みました。
しばらくすると、姉の5歳の娘が「今日のごはん、すっごく楽しい!」と、誰よりも大きな声で言いました。そんな発言を微笑ましく思いつつ「なんで?」と私が聞いてみると「だってみんな楽しくお喋りしてるもん! いつもはママが『ごはん中にお話してたらお洋服汚すからダメ』とか『早く食べてお勉強しなさい』ってばっかり言うから……」と言うのです。
その瞬間、「質の高い教育」を自負していた姉の家での実態が発覚。「子どもとのコミュニケーションよりブランド服や受験が大事なのかな」と親戚たちが一瞬静かになったあと、主役の祖母が「仕事をしっかりこなしてきれいなお洋服を着るのも結構。忙しい中で毎日やりくりする大変さもわかっているよ。でもね、服や爪が汚れるからと家族のお手伝いを突っぱねたり、見栄ばかり気にしてこの子が本当に求めている『向き合う時間』を後回しにするのは違うんじゃないかい。上辺をおしゃれに飾る前に、目の前にいる家族への思いやりという中身を磨きなさい」と話しました。
ぐうの音も出ない姉は誕生日会が終わるまで顔を真っ赤にして、ひと言も発さずうつむいたままでした。
祖母の言葉や娘の本音が胸に刺さったのか、それ以来、姉は私に見栄を張らなくなりました。家庭での子どもとの向き合い方を見直すようになったようです。
共働きで仕事を頑張り、経済的にも自立している姉夫婦のことは素直に尊敬していますし、日々多忙で大変な苦労があることも理解できます。しかし、どれだけお金をかけたり外見を整えたりしても、一番身近な家族への思いやりが欠けていては本末転倒だと私は思います。
お金の余裕が人間の優劣を決めるわけではないはず。子育てにおいては、親の思いや考えだけを優先するのではなく、子どもの気持ちに寄り添い、向き合っていくことが大切なのだと改めて感じた出来事でした。
著者:安藤わかな/30代・ライター。口達者になってきたおませな5歳の娘と、マイペースに趣味の時間を確保する夫に振り回されているママ。マイホームづくりのために、北欧風のインテリアや、DIY・庭づくり動画を見て勉強している。
作画:sawako
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)