デリカシーない発言をされ…
6年前からの知り合いで、たまに会って仲良くしていたママ友のA。子どもが4人いるAは、私が初めての子育てに苦戦している様子を心配し、的確なアドバイスをくれる頼れる存在でした。
しかし、息子が大きくなるにつれ、お互い忙しくなり会う機会も減っていた私たち。そんな中、息子が3歳のころのある日、久しぶりにAからメールが届きました。メールには「久しぶり、元気? 私5人目妊娠中で産休入ったから、ちょっとお茶でもしない?」と書かれています。私はうれしくなり、すぐに「5人目すごーい! おめでとう! ぜひ会いましょう」と返しました。
さっそく数日後、A宅で約1年ぶりに再会。臨月のAのおなかはかなり大きく、息苦しそうです。そんなAの姿を見た私は思わず、「5人目なんてすごいね、尊敬する!」と素直な気持ちを伝えました。するとAは「ありがとう。ところで、子どもの洋服とかサイズアウトしたのもらえない?」といきなり尋ねてきたのです。
実はそのころ、ちょうど私は2人目の妊活中。私が「実は今、2人目を考えていて……だからまだ手放せないの」と正直に断ると、Aは「え、でも3年も空いてるんでしょ? それなら多分どうせできないと思うよ? それに、確実にできるかはわからないんだし、とりあえず今、私困ってるんだから、おさがりちょうだいよ。ブランドものとかあったら全部欲しいな! もし、あなたに2人目ができたら私からおさがりあげるからさ」と笑いながら言いました。
2人目を授かれるかどうかという繊細な問題を軽視した、無神経すぎるAの発言に戸惑いました。しかしAとの関係を悪くしたくなかったので、「わかんないよ、先のことは~」と言いつつ話をそらします。しかしモヤモヤが消えず、急用ができたふりをして帰宅しました。
帰宅後、「おさがりの件だけど、やっぱりまだ手放すつもりないからごめんね」とだけAにメールすると、Aは「えー!? うち5人なんだよ? 服もお金もいくらあっても足りないのに、おさがりも協力してくれないなんてケチ~」と追い打ちをかけるような返信をしてきたのです。たしかに5人目はすごいと思いますし、お金がたくさんかかるからおさがりで節約したいのかもしれません。しかしあまりにもデリカシーがなく「人からもらって当たり前」の態度をとるAに、私はしばらく距離をおこうと決意。「生まれたよ~」のメッセージにも「おめでとう」の返信のみで、それ以上の関わりを一切断ちました。
それからすぐに、私は2人目を妊娠し、無事に出産。生まれたばかりの娘を連れて近所のスーパーに行ったとき、なんと偶然Aと出くわしました。Aはすごく疲れた様子で抱っこ紐に、ベビーカー、迷子紐まで持ち、小さな子ども3人をひとりで連れて歩いていました。そして「2人目!? 言ってよ~知らなかった!」と話しかけてきたのです。
私が「久しぶり。前にAさんに妊活中だって言ったら、『どうせできないからおさがりちょうだい』なんて言ってたでしょ。妊娠できるか不安な気持ちを無視されたことも悲しかったし、なにより『おさがり目的で私と仲良くしてるのかな』って思ったらショックで連絡しづらくなっちゃって」と正直に言うと、「え〜? そんなこと言ったっけ〜?」と茶化すように話すA。
私は淡々と続けて「忘れちゃうくらい軽い気持ちで言ったんだ。よかった、おさがり服あげなくて。あのとき『ケチ』と言われても手放さなかった服、今この子に1着ずつ、大切に着せられてるから。あのね、ひどいことを言われたほうは、ずっと覚えてるんだよ。何人産むかも服をどうするかも、人の自由だよね。服はこれからも、うちはうちのペースでこの子に大切に着せるね」と言うと、Aはハッとしたように目を見開きました。
自分の基準だけで物事を測り、他人の家庭の事情を無視してデリカシーのない発言をしていたことに、ようやく気づいたようでした。「……そ、そうだよね。ごめん、下の子泣いてるからまたね!」と逃げるように去っていったのです。
信頼していたからこそ、妊活中という繊細な時期に「どうせ2人目はできない」と決めつけられたり、一方的におさがりを要求されたりしたことに深く傷つきました。それぞれの家庭にはそれぞれの家族計画があり、それを他人が軽視したり、横から口を出したりしていいものではないと私は思います。
その後、Aと会うことはめっきりなくなり、私は子どもたち2人と穏やかに過ごしています。他人の事情を無視した一方的な催促に振り回されることなく、わが家の大切な子どもたちと、うちはうちのペースでていねいに向き合っていこうと改めて思った出来事でした。
著者:林きくこ/30代・主婦。6歳の男の子と1歳の女の子の母。整理整頓が苦手で子どものおもちゃの収納に年中悩んでいる。三食すべて納豆ご飯でもいいほど納豆が好き。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)