ママ友の攻撃に困惑
同じくらいの月齢の子を持つママ友・Aさんとは、児童館でよく顔を合わせていました。あいさつや軽い会話をする程度でしたが、一緒のときは、よく親子で遊ぶことも。Aさんは気さくでとても話しやすく、私は「感じのいい人だな」と思っていました。
ある日、いつものように児童館でAさんたちと過ごしていたときのことです。Aさんの娘ちゃんがニコニコしながら、私のそばにハイハイして近づいてきます。私も思わず笑顔になり、「こんにちは」と声をかけ、娘ちゃんの手に軽く触れました。するとその瞬間、「ちょっと、やめてください!」とAさんが突然、私の手を跳ね除けて拒絶。「うちの子に触らないでって、言いませんでしたっけ?」と周りに響くほど大きな声で怒鳴ったのです。私は驚いて、慌てて手を引っ込めました。
そんなことを言われた記憶はありませんが、たしかに触ってほしくない人もいるよな……と反省し、素直に「すみません……」と謝りました。しかしAさんは不愉快そうな顔をして「除菌してない手で触るの、やめてください。うちは徹底してるんで」と、さらに言い放ちます。その場にいたママたちは、突然の怒声に驚いた様子。周囲の視線が一斉にこちらに集まり、私はどうしたらよいかわからず、頭が真っ白です。逃げるように帰宅し、「無断で触ったのは配慮不足だったかも」と深く反省しつつも、「そんなに非常識なことだったのかな?」と腑に落ちない思いを抱えていました。
モヤモヤしながら他のママに相談すると、Aさんは、生後間もないころに娘ちゃんが感染症で入院したトラウマから、過剰な潔癖症になっていることが判明。たしかに、娘ちゃんの触りそうなおもちゃを入念に除菌シートで拭いている様子はありましたが、そこまで極度なものだとは思いませんでした。Aさんの気持ちに同情しつつ、事情を知らずに勝手な行動をして申し訳ないと後日謝ろうと決意しました。
しかし、事態はそれで終わりませんでした。数日後、Aさんはあろうことか周囲のママたちに「あの人は不衛生」「うちの子に菌を擦り付けようとした」と嘘の悪評を触れ回り、私を児童館から排斥しようと動き始めたのです。
再び児童館で顔を合わせた際、Aさんは勝ち誇った顔で「みんな迷惑してるの。衛生観念の低い人はここに来ないでくれません?」と私に言い放ったのです。
謝罪しようと思っていた私の心はポキッと折れてしまい、「どんな事情があったとしても、そこまで言われないといけないこと?」と涙が出そうになりました。
すると背後から「Aさん、もうやめましょう」と声が聞こえました。振り返ると児童館の館長さんが間に割って入ってきてくれたのです。
館長さんは「過去の入院で心配になるお気持ちはわかります。ただ、ご自身の不安から独自のルールを周囲に求めたり、事実とは異なることを広めて特定の方を利用しづらくさせたりするのは、やめていただけますか」と毅然とした声で告げました。
Aさんは「公共施設でしょ! 平等に安全に遊べる場所を提供しなさいよ!」と館長さんに食ってかかります。しかし館長さんは、「児童館は皆さんが利用する場所です。だからこそ、ご自身の都合で特定の人を排除したり、大声で責めたりすることは認められません」と淡々と返します。
周りのママたちも深く頷き、「Aさんの潔癖に合わせるのしんどいよね……」とひそひそ話しているのが聞こえ始めました。自分の身勝手さを一刀両断されたAさんは絶句。逃げるように去っていったのでした。
私自身も「触れる前にひと言かける」という配慮を学ぶきっかけになりましたが、不安を盾に他人を攻撃して良い理由にはなりません。適切な距離感を保ち、周囲と心地よく過ごせる配慮を忘れないでいようと考えるきっかけになった出来事でした。
著者:長嶺りょう/主婦。4歳の女の子を育てるママ。寝る瞬間までおしゃべりを続ける娘の横で白目を剥きながら、大好きな推しのことを考えて現実逃避中。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)