義母の手には1冊の通帳が
交際していた夫と入籍し、義実家へあいさつに伺ったときのことです。
これまでのことや、これからの生活について話しながら食事をごちそうになり、食後はそのままゆっくり過ごしていました。すると、義母から「ちょっと来て」と呼ばれたのです。
「何だろう?」と思いながら義母のもとへ行くと、その手には1冊の通帳がありました。
「もしかして、結婚祝い? そんな、いただけるなんて……。でも、どうして私に?」
表情には出さないようにしていましたが、予想外の展開に、私の頭の中はちょっとしたパニック状態でした。
渡されたのは、まさかの夫の通帳
戸惑っている私に、義母はにっこり笑いながら言いました。
「これからは嫁ちゃんがよろしくね」
そう言って差し出されたのは、結婚祝いではありません。なんと、夫の通帳だったのです。
まったく予想していなかった私は、何が起きているのか理解できず、「あ、はい……」と受け取るのが精いっぱい。頭の中にいくつもの「?」を浮かべたまま、詳しいことを聞けずに話は流れていきました。
後になってわかったのは、夫が就職してからも、義母にお金を管理してもらっていたということでした。義母の「これからは嫁ちゃんがよろしくね」という言葉には、それまで自分がしていた夫のお金の管理を、今後は私に任せたいという意味があったようです。
結婚後に見えてきた夫の一面
当時はまだ若かったこともあり、成人した夫の通帳を義母から託されることの意味を、私は深く考えていませんでした。
しかし、結婚生活が始まると、お金の管理だけでなく、夫がそれまでさまざまなことを義母に任せてきたことが、少しずつ見えてきました。大切に育てられてきた一方で、自分のことを自分でする意識が十分ではないと感じることもありました。
このまま私が何もかも引き受けてしまえば、夫の世話をする人が義母から私に代わるだけです。危機感を覚えた私は、「自分のことは自分でしてほしい」と夫に伝えました。
それからは、私が夫に代わって管理するのではなく、夫自身でできることは本人に任せ、少しずつ独り立ちできるよう促していきました。
まとめ
義母から夫の通帳を渡された経験を通して、親が何でもしてあげることが、必ずしも子どものためになるとは限らないと感じました。今は、わが子が将来自分で考え、行動できるよう、年齢に応じた自立を意識して育てています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:戸田まみこ/30代女性・主婦
イラスト:マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
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