両親に彼女を紹介したら…
その日は、僕の両親と彼女の4人で食事をしました。みんな緊張はありましたが、仕事や趣味など当たり障りのない話をしながら、和やかに食事は進んでいったと思います。
ただ、会話の中で彼女の出身地や年齢の話になると、父が時折、何かを考えるような表情を見せることがありました。
そして、改めて彼女の名字を聞いたとき。父が少し驚いた顔で、「さっきから思っていたのだけど、もしかして、Aっていう人、知ってる?」と彼女に聞いたのです。
すると彼女は気まずそうな様子で、「……はい、知っています」と答えました。
Aという名前に、僕はまったく心当たりがありませんでした。なぜ父が突然その名前を出したのかわからず事情を聞くと、Aは父が以前勤めていた会社の元同僚だったそうです。同じ部署で働いていた時期があり、仕事終わりに何人かで食事へ行くこともあったとのこと。
さらに数年前、父やAを含む同僚数人で食事をした際、Aが彼女を連れてきたことがあり、そのとき「付き合っている人」として、父は彼女を紹介されたそうです。
ただ、会ったのはその一度きり。父は彼女の顔にどこか見覚えがあり、出身地などの話を聞いているうちに、以前Aが連れてきた女性ではないかと思い始めたとのこと。そして名字を聞いたことで、「もしかしたら」と記憶がつながったようでした。
そして彼女に確認すると、やはりAは以前付き合っていた相手だったのです。
思わぬつながりにびっくり
予想もしなかったつながりが判明し、その場は一瞬静まり返りました。僕自身も、「そんな偶然あるんだ……」とびっくり。
彼女も父のことは覚えていなかったようで、気まずそうな表情ながらも驚いている様子でした。
父自身、言わなくていいことを言ったと思ったのか、それ以上詳しく聞くことはせず、「いやあ、世間は狭いな」と苦笑い。変な空気になったものの、そのひと言で場の空気も少し和らぎ、その後は普通に食事を楽しみました。
僕としても、最初こそ驚きましたが、彼女が以前誰と付き合っていたかは過去のこと。父とAにつながりがあったからといって、彼女の印象が変わるわけではありませんでしたし、関係も変わるわけではないと感じました。
まさか恋人を両親に紹介した席で、こんな意外なつながりが判明するとは思ってもいませんでした。少し気まずい瞬間ではありましたが、過去について必要以上に気にするのではなく、今目の前にいる相手との関係を大切にしたいと、改めて感じた出来事でした。
著者:もーり/30代男性・実家暮らし。4兄妹の長男。趣味はサウナ巡り。
イラスト:ほや助
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)
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