木本家の二男・幹也と結婚した梢は、結婚前に義実家を初訪問した際、下着姿で現れた幹也の兄・草一の言動にびっくり。草一は仕事をせず、長く実家で暮らしだそう。義父母はやさしく話しやすい人たちですが、距離感の近さやデリカシーに欠ける一面があり、また義母が何かと草一を気にかける様子にも引っかかっていました。
その後生まれた、息子・葉介は、義実家に甘やかされて育ち、希望が叶えられないと駄々をこねて大暴れするなど、わがまま放題。しかし、大人もラクをさせてもらえるので、梢一家は頻繁に義実家を訪問していました。
2人目・華が生まれると、義母は葉介には甘く、華には厳しくあたる孫差別をします。そのくせ華を義実家に連れて行かないと、怒鳴るほど執着する義母。梢が妹に相談すると、義母に甘えてラクをし、葉介のしつけから逃げていたからだと指摘され、梢はもっと家族に向き合うことを決心。自慢やわがまま三昧で仲間外れにされていた葉介も、今までのことを反省し、思いやりを持てる人に変わると決心します。
ある日、梢一家の自宅にアポなしで訪問してきた義母。相変わらず孫差別をし、男尊女卑の考えを押し付ける義母に梢と幹也は怒り、「子どもの教育をするのは私たち」「母さんは家族ではない」と、義母が葉介と華のしつけに関わることをきっぱり拒否したのですが、義母は華を養子にして、自分がしつけると言い始めたのです。
そんな義母の傍にいる義兄は、義母に意見をしたくても、なかなか言葉にできません。理由は、習い事も進学先も義母の理想通りでないと否定されるという育ってきた環境にありました。大学生当時、彼女とデートに出かけたときも、あとをつけ、一緒に行動すると言い張る義母。義兄は反抗したものの、最後はもうあきらめてしまったのでした。
「デートに母同行」彼女にドン引きされてしまった義兄は…
























母が同行したあのデートの後、彼女と別れてしまった義兄。それをきっかけに、自分は何のために生きているのだろう…と心に限界を感じ、衝動的に薬を多量に飲むという行動を起こしました。
目が覚め、義母に「かあさんの…のぞみどおりには…なれなかった…」「だめなむすこで…ごめん」とつぶやく義兄に、義母は「母さんが悪いの」「もうなにも頑張らなくていい」「生きていればいい」と言い、そこから義兄は、大学を辞め、家に引きこもるようになったというのです。
何も考えなければ、義母の言う通りにすればいいのは案外ラクでしたが、幹也家族と関わるようになり、癒やされつつも、幹也家族は自分や義母に関わらないほうがいいと感じていた義兄。次第に荒れていく義母に意見をしようとしても、義母の笑みをみると、怖くて何もいえなくなるのでした。
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小さなころから、母の理想通りの道を歩まされ続けていた義兄。その道を少しでも外れることは許されませんでした。こうしたいという自分の思いがありながら、その道をあきらめ、別の道を進まなければならない人生…。さぞかしつらかったと思います。
そんな日々に失望し、人生の意味について考えた義兄は、衝動的とはいえ、人生そのものをあきらめようとしたのでしょう。そして、その時初めて、義母は自分のしてきたことの罪深さを知ったのだと思います。
頑張らなくていい。生きているだけでいい。義母はそう思っているようですが、同時に、また自分だけの考えで、これからの義兄の生きる道を決めてしまっています。義母のやることには、義兄の意思が全く反映されていないのです。それで子が本当に幸せになると思っているのでしょうか。親ができる最大のサポートは、子が自ら望む道に進めるようにサポートすることではないでしょうか。
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音坂ミミコ