”お隣さんのため“に切ったのに……
最初は、張り出した枝だけを切るつもりでした。けれど見ているうちに、「どうせなら、もっと根元に近いところから切ったほうがすっきりするかも」と思ってしまったのです。
慣れないまま思い切って枝を切ると、次の瞬間。バサッ! 切った枝は、予想外の方向へ倒れ、お隣の庭へ。そして、お隣の奥さんが大切に育てていたであろう苗木の上に直撃してしまいました。
見ると、苗木の一部が折れているではありませんか! 私は一気に血の気が引きました。しかも、お隣の息子さんは普段から声が大きく、少し怖い印象のある人。息子さんが相手だと緊張して、きちんと謝れない気がしました。
どうか息子さんではなく、奥さんが出てくれますように……と、心の中で祈りながら、すぐにお隣の玄関へ向かいました。
ひたすら謝る私
しかし、チャイムを押しても応答はありません。私は外出先から戻ってくるのを待つことにしました。しばらくして、先に帰ってきたのはお隣の奥さん。ほっとしたのもつかの間、奥さんはご近所さんと話し始めてしまったのです。
けれど、こちらは気が気ではありません。私はタイミングを見て声をかけ、庭先まで来てもらうと、「本当にすみません! 枝を切ったら倒れてしまって、苗木を折ってしまいました」とひたすら謝りました。
すると奥さんは、折れた苗木を見て少し驚いたものの、「いいのよ、大丈夫。わざわざ言いに来てくれてありがとう」と笑って許してくれたのです。私はほっと一安心。そしてその後、お詫びに鉢植えの花を持って行くことにしました。すると息子さんも「わざわざすみません」と笑顔で受け取ってくれ、心底安心しました。
今回のことで、慣れない作業をひとりで勢いよくやるものではないと反省しました。特に隣家に近い庭木を切るときは、倒れる方向や周囲への影響をしっかり確認することが大切だと痛感した出来事です。
◇ ◇ ◇
よかれと思ってしたことでも、思いがけず相手に迷惑をかけてしまうことがあります。そんなときは、失敗を隠したり後回しにしたりせず、できるだけ早く事情を伝えて誠実に対応することが大切ですね。また、周囲に影響することをするときには、「大丈夫だろう」と思い込まず、事前に確認することも心がけたいものです。
著者:斎藤 真紀子/50代女性/すでに子どもは独立しており、長年介護してきた義母も先日看取ったばかり。現在は夫婦2人で生活中。趣味は野球観戦、最近家庭菜園を始めました。
イラスト:あやこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
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