義実家へ行くたび、娘の肌着が消える
当時、私はときどき娘を連れて義実家へ遊びに行っていました。義姉家族も来ていることが多く、にぎやかに過ごしていました。
第1子だったこともあり、最初からベビー用品をたくさんそろえていたわけではありません。肌着も必要最低限の枚数しか持っておらず、義実家へ行く際には、その中から何枚かを着替えとして持参していました。
ところが、帰宅して荷物を確認すると、持って行ったはずの肌着が1枚足りないことがありました。
最初は、「どこかにしまい忘れたのかな?」と思っていました。しかし、その後も義実家へ行ったあとに肌着がなくなることが続いたのです。
気になって義母にも尋ねましたが、義母には心当たりがない様子。夫にも相談しましたが、どこでなくなったのかを確かめるすべはありませんでした。
ただでさえ枚数が少なかったため、なくなるたびに新しい肌着を買い足すことに。「どうして義実家へ行くと足りなくなるんだろう?」と不思議に思いながらも、原因がわからないまま月日は流れていきました。
数年後、義姉が差し出した紙袋には…
そんなある日、義実家で会った義姉が、突然ひとつの紙袋を私に差し出しました。
「これ、ずっと持ってたんだけど、もう返すね」
何のことかわからないまま袋を開けると、そこに入っていたのは、何年も前になくなった娘のベビー肌着。しかも1枚ではなく、何枚も入っていたのです。
驚きのあまり、言葉が出ず呆然としてしまった私。そこで義姉から聞かされたのが、肌着を持ち帰っていた理由でした。
義姉は3人の男の子を育てていて、以前から「女の子も育ててみたかった」と話していました。娘の肌着を、女の子を授かるための「お守り」のようなものとして、私に黙って持ち帰っていたというのです。
「お守り」という理由に納得できず
私は思わず、「肌着がなくなるたびに、何度も買い足していたんですよ。勝手に持って行かれていたなんて、びっくりしました」と伝えました。義姉は、悪びれる様子もなく、女の子を授かるための願掛けのつもりだったと説明しましたが、私は簡単には納得できませんでした。
そばで話を聞いていた夫も、「それは困るよ。理由があったとしても、人のものを勝手に持って行くのはダメだろ」と義姉に伝えてくれました。
義両親は義姉の気持ちにも理解を示していましたが、私は、女の子を望む義姉の気持ちと、人のものを黙って持ち帰ることは別の話だと思いました。
当時、限られた枚数の肌着をやりくりしながら育児をしていて、なくなるたびに買い足していたことを思い出すと、肌着が戻ってきたことに安心する一方、なんとも複雑な気持ちになりました。
娘が赤ちゃんだったころに使っていた肌着には、それぞれ思い出があります。数年越しに、なくなっていた肌着が戻ってきましたが、理由があったとしても、人のものを黙って持ち帰っていいわけではありません。
たとえ家族同士であっても、相手のものや気持ちを尊重することは大切です。今回の出来事を通して、家族だからこそ守るべき一線があるのだと改めて感じました。
著者:佐々木真千絵/30代女性。2021年生まれ、2025年生まれの娘、夫の4人暮らし。作業療法士として医療現場で7年間勤務後、出産を機に退職。現在は在宅で仕事に取り組んでいる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年9月)
※AI生成画像を使用しています