子どもたちの穏やかな砂場遊びが一変!
ある晴れた平日に、私は砂遊びが大好きな1歳の娘を連れて近所の公園を訪れました。公園の砂場では、数人の子どもたちが静かに砂山を作ったり、型抜きをしたりして、それぞれが自分の世界を楽しみ、穏やかな時間が流れていました。
しかし、その平穏な空気は、ひとりの見慣れない男の子が現れたことで一変します。5歳くらいと思われるその男の子は、大きなバケツを持って水場へ向かい、なみなみと水を汲んで戻ってきました。そして、周囲が何をするのかと見守る間もなく、突然砂場の中心に向かって大量の水を一気にぶちまけたのです。勢いよく泥水が飛び跳ね、周囲の子どもたちの服や靴まで泥だらけになってしまいます。突然の出来事に「冷たい!」「お洋服汚れちゃった……」と泣き出す子や、ショックで固まってしまう子が続出し、現場は騒然となりました。
保護者の姿が見当たらない中、私はこのままでは誰も遊べなくなってしまうと判断し、男の子の目線に合わせてしゃがみ込んで「みんなが遊べなくなっちゃうから、お水を入れるのはもう終わりにしようか」と冷静に声をかけました。しかし、男の子は「やだ!」と拒否し、制止を振り切って再び水場へ向かおうとします。周囲のママたちが戸惑い、静まり返った、そのときでした。「あらあら、汚れちゃったのね〜!」と母親らしき女性がスマホを見ながら歩いてきたのです。母親は、周りの子どもたちが泥だらけになっている光景には見向きもせず、わが子へ一直線。ひと言の謝罪もありませんでした。
あまりの身勝手さにモヤモヤしていたところ、泥をかけられて泣いていた女の子のママが前に出て、「すみません。周りの子どもたちもこんなに泥だらけになって泣いてるんですけど、ひと言もないんですか?」と言いました。
しかし、男の子の母親は悪びれる様子もなく「は? 公園なんだから汚れるのなんてお互い様でしょ。そんなに嫌なら砂場で遊ばせなきゃいいじゃないですか」と言い放ったのです。
この非常識な開き直りに、私を含め周囲の空気は凍りつきます。すると詰め寄ったママは「お互い様ではありません。一方的に泥水をかけられてせっかく楽しく遊んでいた空気が台無しになってるんです。子どもに公共のマナーを教えるのは親の責任ではないですか? 自分の子さえよければいいという考えはやめてほしいです」と一切ひるまず、冷静に言い返しました。
周りの保護者たちからも厳しい視線が注がれ、逃げ場がなくなった母親は「なによそれ……感じ悪い!」と捨て台詞を吐き、顔を真っ赤にして男の子を連れ、逃げるように去っていきました。
理不尽な言い訳を一蹴し、はっきりと間違っていることを指摘したママの姿には胸がすく思いでした。その後、男の子と母親は公園で見かけていません。
たしかに、公園で遊んでいて服が汚れること自体は仕方ありません。しかし、だからといって、「他人を汚すのも当たり前で仕方ない」ということにはならないはずです。また、スマホに夢中にならず子どもをしっかり見守っていれば、トラブルの瞬間にも気づけたかもしれません。子どもから目を離さずきちんと見守っておく重要性、そして間違いをきちんと認めるという親として当たり前の大切さを深く実感させられた出来事でした。男の子の母親を反面教師にし、そして立ち向かってくれたママのように、誠実さと毅然とした態度を持った親でありたいと思います。
著者:工藤小夜/30代・ライター。1歳の女の子を育てるママ。好奇心旺盛でおちゃめな娘に振り回されながら、日々癒されている。口癖は「今日の夕ごはん何にしよう……」であり、日々の献立に頭を悩ませている。
作画:
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)