ソファにふんぞり返る夫
私の夫は、「仕事さえしていればいい」と思い込んでいるタイプでした。共働きなのに、夫は自分のほうが稼ぎが多いという理由で家事や育児を私に丸投げ。唯一の家事はゴミ捨てのみでした。朝の準備から当時4歳の娘の保育園の送り迎え、夜のお風呂に寝かしつけまで、すべて私の担当。夫は帰宅するとソファから動かず、出された食事を食べて食器も下げず、スマホやゲームに没頭する毎日です。
たまに私が手伝ってほしいとこぼしても、夫は「俺だって稼いで家族を養ってる。それが最大の育児だ。家では休ませろ」と言い放ちます。私は反論する気力も失い、ひとりで耐える日々が続いていました。
そんなある週末のことです。私たちは娘を連れて、義実家へ日帰りで遊びに行きました。義母は穏やかな人で、私をいつも気づかってくれるやさしい女性。遊んでいた娘に、義母がやさしく「お家ではいつもパパとママと何をして過ごしているの?」聞きました。
それは、孫との会話を楽しむための本当に何気ない質問でしたが、私は夫の怠惰がバレてしまえば夫の機嫌が悪くなるのではと恐れ、とっさに笑って話をそらそうとします。しかしその焦りもむなしく、娘は笑顔で、「パパはね、ごはんのあと、いつもずっとソファでゲームしてるよ! ママがごはんつくってくれたり、お風呂一緒に入ってくれたり、お家のことも全部してる! 遊ぶのもママとだけだよ」とはっきりと答えたのです。
娘はただ、毎日見ている「ありのままの光景」を口にしただけでしたが、その場は静まり返りました。隣の部屋でくつろいでいた夫を呼び寄せ、義母は静かな声で「この子が今、なんて言ったか聞こえた? 普段いかにあなたが家で何もしていないか、恥ずかしくないの?」と問いかけます。
夫は顔をこわばらせ、「だって俺が仕事しないと生活できないだろ……」と言い訳をしようとしましたが、義母は「親としての自覚が足りなさすぎます。あなたはこの家で『一番手のかかる、お金を払っているだけの同居人』に過ぎないわね。子どもが求めているのは生活費を運ぶATMじゃなくて『父親』なの。娘の目に映る自分が『ただソファでゲームをしているだけのおじさん』で情けなくないの!?」とピシャリと言い放ったのです。普段は夫にもやさしい義母からの、厳しい言葉に、さすがの夫も真っ赤な顔をしてうつむき、ひとことも言い返せませんでした。
翌朝、いつもは私が起こさないと起きない夫が自分で起きてきて、娘の保育園の準備を始めました。驚いた私が声をかけると、夫は目を逸らしながら、「おふくろに『ただゲームをしてるだけのおじさん』って言われてハッとしたんだ……。俺、家族を養ってるつもりで威張ってたけど、娘の目にはただの同居人としか映ってなかったんだな。あの言葉がすごく刺さって、自分が本当に情けなくなった。これからはお金を出すだけじゃなく、ちゃんと『父親』として家事も育児も一緒に努力するよ」と言ったのです。
おかげで、今では夫も親としての自覚が芽生え、「育児はチームプレー」と言って積極的に娘の面倒をみてくれるようになり、食後は「夫婦2人の休憩時間」に変わりました。
今回のことで、夫婦だけで向き合うと平行線だった問題も、信頼できる第三者の客観的な視点が入ることで大きくかわることもあるのだと実感しました。これからは一人で不満を抱え込んで耐えるのではなく、ときには信頼できる周囲の力も借りながら本音で向き合い、本当の“チーム”として夫婦の対話を重ねていこうと思います。
著者:工藤あや/30代・ライター。5歳の女の子を育てるママ。おてんばな娘にいつも振り回されている。日々の献立に頭を悩ませ、SNSで簡単レシピを調べる日々。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)