大切な場面でまさかの「コロコロ」
食事を楽しみながらも、僕の頭の中はこれから伝える言葉のことでいっぱいでした。
そして食事が終わり、いよいよそのときが。僕は彼女に「結婚してください」と伝え、用意していた婚約指輪のケースを開きました。
ところが、その瞬間――。指輪がケースからポロッと落ち、そのままレストランの床をコロコロと転がっていったのです。
「えっ!? 待って~!」
慌てて席を立ち、指輪を追いかける僕。しかし、指輪は僕の焦りなどお構いなしに転がり続け、ついには隣のテーブルの下へ。
僕は必死になって指輪を追いかけ、なんとか無事に救出することができました。
ホッとして席に戻ると、彼女は半笑いで「ムードも何もあったもんじゃないね」とひと言。たしかに、せっかくの大切な場面で指輪を追いかけ回していた僕の姿は、ロマンチックとは程遠いものだったと思います。
「なんでよりによって、このタイミングで……」
そう思うと、恥ずかしさと悔しさでいっぱいになりました。
さらに、レストランを出たあと、彼女から「結婚のこと、保留でいい?」と言われてしまった僕。帰り道でも彼女がどこか笑いをこらえているように見え、「さっきのことが響いたのかな……」と気になって仕方がありませんでした。
◇ ◇ ◇ ◇
大切な場面ほど完璧にしたいと思ってしまいますが、どれだけ準備していても、思いがけないハプニングは起こるもの。彼女からの返事も保留となり、「どうしてよりによってあのタイミングで……」と悔やまずにはいられない出来事でした。
著者:田中康二/40代男性・会社員。観葉植物が大好きで、休日は水やりなどをしながら癒されています。
イラスト:こまつもえか
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)
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