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容体が急変し診察が早まった息子「抜かすな!急いでるの!」大声で怒鳴る他のママに看護師さんがひと言

4歳の息子が風邪を引いてしまったときのことです。1歳の娘を連れて急いで小児科へ連れて行くことにした私。小児科に着くと、玄関で靴を脱ぐのに手間取っている親子がいました。息子がつらそうな様子だったため、横をすり抜けていくと、その母親が抜かされたと騒ぎ始めたのです。

診察待ちの間に息子がぐったり…

ある日の幼稚園の帰り、「ママ、苦しい」と言い出した4歳の息子。風邪だろうと思い、1歳の娘と一緒に私は小児科へ急いで向かいました。季節の変わり目で風邪を引く子どもが多いのか、かかりつけの小児科の駐車場はほぼ満車。私以外にも仕事着のまま来ている親子がたくさんいました。

 

息子がぐったりとして顔色もあまり良くなく、つらそうな様子だったため、すぐ車から降りた私。いち早く受診したいと思い急いでいると、私の前に幼稚園の制服を着た4歳ぐらいの女の子とお母さんが、靴を脱ぐのに手こずっていました。女の子は「ママ、お注射頑張ったらアイス食べていい?」と元気に話しており、どうやら予防接種に来た様子。私は、具合の悪い息子を連れ、さらには娘を抱っこ紐で抱えていたため、「横を失礼します」と声をかけて横を通り、順番待ちリストに名前を書きました。

 

 

しかし数分後、入り口で手こずっていた人が受付にやって来て、「この方たちより私のほうが先に入ってたので、私たちを先にしてください」と小さな声で伝えているのが聞こえます。受付の方が「院内に入った順ではなくこちらの記名順なので……」ととまどっていると、待合室にいる他の方に「あの、私たちのほうが早く入っていましたよね?」と言い、周囲を巻き込み始めました。

 

聞かれた方はその圧力に「あ~まぁ、入ったのは……そうですね」と適当な回答。すると声を荒げて「ほら! 私のほうが先だったって証明できたじゃない」と受付の方に言います。相手の強い要求に押された受付の方は私のほうをちらりと見て、思わず私は「どうぞ、お先に行ってください」と穏やかに順番を譲ることにしました。子どもの体調が心配でしたが、ここでトラブルを起こしてしまうと余計に時間がかかってしまうと思ったのです。

 

 

しかし名前を書いてから20分経ったころ、息子が急に横になりぐったりとした状態に。心配になり受付の方に体温計を借りて測ると、40度近い熱が出ていました。異変に気づいた看護師さんが慌てて駆けつけ、緊急を要すると判断し、息子はすぐに別室で点滴の処置を受けることになり、今の診察が終わり次第診てもらえることになりました。

 

すると待合室から、あのお母さんの怒鳴り声が響き渡ります。「ちょっと! なんであとから来たあの親子が先に診察室に入ってるの!? うち時間ないのよ! 順番を抜かされるなんて絶対に納得いかないわ!」と受付で激しく詰め寄っていたのです。

 

 

受付の方も「そこはご理解いただかないと、緊急なので……」となだめるのに苦労している様子が聞こえてきます。私が横を抜けてしまったがゆえにいろんな人に迷惑をかけている、と心苦しく思っていたそのとき、ベテラン看護師さんの声が聞こえました。

 

「当院は基本的に受付順でご案内しておりますが、お子様の症状や緊急度によっては順番が前後することがございます。病院の待合室は、テーマパークのような場所の列と同じではありません。医療現場での優先順位をご理解ください」と院内に響いた声で、待合室はすっかり静まり返ったようでした。

 

 

しばらく点滴をしていると息子の顔色が戻り、私も一安心。無事に診察を終えて待合室に戻ると、そのお母さんは肩を小さくして黙り込んでいました。連れていた女の子が「お兄ちゃん、元気になってよかったね」と無邪気に呟くと、お母さんは気まずそうに小さく頷き、静かに自分の順番を待ち続けていました。

 

あのとき横を通り抜けたことが騒動のきっかけになってしまい、心苦しく思っていましたが、病院の方が事態をおさめてくれてホッとしました。息子の状態が急変したことで、子どもの体調はいつ何が起きるかわからないのだということを改めて実感した今回の一件。医療現場では緊急度によって順番が前後することがあるという当たり前のことを、子どもを持つ親として今一度心に刻んでおこうと思いました。

 

そして、あのママのように自分の都合を押し付けて周囲に迷惑をかけることはしないよう、急いでいるときこそ冷静に振る舞うことの大切さを実感した出来事でした。
 

 

著者:木村凛/30代・ライター。4歳と1歳の兄妹を育てる転勤族ママ。繊細な長男と怖いもの知らずな娘の対応に追われる毎日。早く子どもを寝かせて自分磨きの時間も大事にしている。

 

作画:yoichigo

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)

 

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