幼稚園で見かけた見知らぬ親子…その正体は?
私は、幼稚園に通う4歳の息子と、夫と暮らす30代の主婦です。ある日、息子を迎えに行くと、見慣れない親子がいることに気づきました。目が合うと母親は顔をそむけます。「誰? なんで私を見た途端、顔をそむけたの? 私、何か変なことした?」と不自然に思いながらも、同じくらいの子どもを連れているので、転園で新しく入ってきた親子なのだろうと気にせず帰ろうとしました。すると、息子と同じクラスのBちゃん親子がやってきて、お菓子を差し出しながら「お世話になりました」とあいさつをしてくれました。
Bちゃんはパパの転勤で急遽引っ越すことになり、この日が最後の登園日なのだそう。お菓子を配ることを事前に園長に相談し「お迎えの際、邪魔にならない場所でひと言添えて渡す程度なら」と許可を得ていたというBちゃんのママは、お迎えに来た同じクラスの保護者たちにお菓子を配ったり、園庭の端のスペースで思い出話を交わしたりしていました。
Bちゃんママが感謝の気持ちとして用意していたのは、地元で有名な行列店のお菓子の詰め合わせ。Bちゃん親子と親しかったママたちが順にお別れのあいさつに集まり、ちょっとした列になっていましたが、邪魔になっている様子はなく他の保護者たちも温かい目で見守りながら通り過ぎていきます。
すると、その列の最後尾に、先ほどの親子の姿が……。転園してきた親子だと思っていたので、私はびっくり。自分が見かけなかっただけで、Bさん親子とは面識があったのかな? と思いながら見ていると、その母親の番になりました。
見知らぬママの突然の登場に、どうやらBさんも困惑している様子。やはり面識はなく、その母親は豪華なお菓子の紙袋を見て、ちゃっかり並んでいただけのようです。当然のように手を差し出す母親にBちゃんのママが困惑していると、なんと母親は「全員に配ってるんでしょ! うちの分は? 差別かしら!」と大声で威圧し始めました。
周りで他の保護者たちが「誰?」とざわついている中、クラスのママCさんが「失礼ですが、どちらのクラスのお母様ですか? 今までお見かけしたことがないのですが……」と切り込みました。
すると母親は激昂し、ターゲットをCさんに変更したのか「うるさいわね! 生意気言うんじゃないわよ! あんたの息子の分を寄越しなさいよ!」と、あろうことかCさんの息子くんが手に持っていたお菓子を強引に奪い取ろうと腕を掴んだのです。
息子くんが怯えて声をあげた瞬間、Cさんはすかさず母親の手首をがっちり掴み返し、「幼児への暴行および強盗未遂じゃないですか? 防犯カメラの真ん前でよくそんなことができますね。」と立ちはだかりました。実はCさんは、警察官として働くママさん。見ていたほかのママが「さすが現役警察官……!」と言ったのが聞こえたのか、母親は「まずい」という顔に。そして一斉に白い目が向けられたことで、「何よ……」と絶句。直後、異変に気づいた園長と職員たちが駆けつけたことで、母親はバツが悪そうにその場を去っていったのでした。
あとからわかったことですが、この親子はお迎えのピーク時間帯に保護者が解錠して入園するうしろから、さも関係者のような顔をして素早く侵入した、まったくの部外者だったそうです。私はてっきり転園してきた人だろうと思っていたので、まさかの正体に絶句。Bさんが地元で有名な行列店のお菓子を配っているのをたまたま見て、自分ももらおうと企んだようです。そして、以前近所のショッピングモールで『試供品を大量によこせ』と騒いで出禁になったこともあったようで、タダで何かをもらいたがるタイプの人とのことでした。
今回の件は、園側が普段から門の施錠管理を行っていたとしても、お迎え時のちょっとした隙に「共連れ」ができてしまう怖さを知るきっかけになりました。施設やセキュリティを信用しきって「園の中にいるから安全」「誰かが対応してくれるだろう」と人任せにするのではなく、違和感を見逃さない目と毅然とした態度を備えておかなければと強く思った出来事でした。
著者:南まこと/30代・主婦。4歳の男の子を育てるママ。将来息子とおいしいスイーツのカフェを巡ることを夢見ている。
作画:sawako
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)