海辺で渡された大きな箱
その日は彼と食事や買い物を楽しみ、最後に海へ向かいました。海辺でしばらく過ごしていると、彼が突然、40cmほどありそうな大きな箱を差し出してきたのです。
「これを履いて、一緒に人生を歩んでほしい」
その言葉を聞き、私は彼からのプロポーズだとすぐにわかりました。ただ、目の前にあるのは指輪ではないであろう大きな箱です。
「何が入ってるんだろう?」
少し驚きながら開けてみると、中に入っていたのは靴でした。「一緒に歩んでいこう」という言葉にかけて靴を選んでくれたのかなと思うと、ほほえましく感じました。
ところが、実際に取り出してみると、私は別の意味で驚いてしまったのです。
靴を見て、思わず戸惑ったワケ
サイズは私の足にぴったりでした。ただ、デザインがどうしても私の普段の服装には合いそうになかったのです。
「これ、いつ履こう……」
せっかく彼が選んでくれたものなので、複雑な気持ちはありつつも「ありがとう」と受け取りました。
それでも気になってしまい、後日、同じ靴をインターネットで調べてみることに。もらったものの値段を調べるのは失礼だと思いつつ、検索してみると、価格は5,000円未満でした。
もちろん、贈り物は値段だけで決まるものではありません。それでも、人生の節目になるような場面で贈られたものだっただけに、私は少し複雑な気持ちになりました。
デザインも私の普段の服装とはかなり違っていたため、「どうしてこれを選んだんだろう」と戸惑ったのを覚えています。
その後、彼とは結婚し、今では夫婦になりました。あのときもらった靴は、結局ほとんど履くことなく、今も箱の中で眠っています。
当時は「なぜこの靴!?」と戸惑いましたが、「一緒に人生を歩んでほしい」という言葉に合わせて、彼なりに一生懸命選んでくれたのだと思います。今では、夫らしい少し不器用な思い出として笑って振り返れる出来事です。
著者:赤田美里/30代女性・元教員。夫と猫と暮らしています。趣味は韓国ドラマ鑑賞。
イラスト:ほや助
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年9月)
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