給付金を半分分けてと迫る義母にあ然
数年前、子育て家庭を支援するため、子ども1人につき給付金が支給されたときのことです。当時12歳、9歳、4歳の息子たちを育てていたわが家にも、10万円を超える給付金が入ることになりました。夫と「学用品や塾関係に使おう」と相談。全額、3人の子どもたちのために活用すると決めていました。
そんなある日、義母から突然電話がかかってきます。義母は、子どもたちの様子を聞くわけでもなく「ねぇ、もうすぐ給付金が入るんでしょ? 半分くらい分けてくれない?」と切り出しました。突然の言葉に私は絶句。予想外の要求に動揺しながら「えっ……どうしてですか?」と尋ねましたが、義母は笑いながら「だって、うちは対象の子どもいないから1円ももらえないのよ〜。不公平じゃない?」と言うのです。さらに「温泉旅行でも行こうと思ってるの。あとテレビも古いし買い替えたくて!」と続けます。あまりの呆れた言い草に、私は耳を疑いました。生活に困っているわけでもなく、完全に“もらう前提”での話にイラッとしましたが、とりあえず「夫と相談します」と伝え、電話を切りました。
その日の夜夫に相談すると、「子どもの給付金で旅行って……意味わかんない」と、夫も驚いた様子です。「とにかく俺が断るから」と電話をしてくれましたが、義母は納得してくれない様子。その後も、ことあるごとに電話をかけてきては「ねぇ別に全額よこせって言ってるんじゃないのよ」「これも親孝行だと思わない?」と給付金を分けるようしつこく迫ってきて……。私は「私だけじゃ決められないことですし」と逃げるしかありません。
数週間後、法事があり親戚一同が集まりました。和やかに会食が進み、宴もたけなわとなったころ、義母が“暴走”します。いきなり親戚たちに向かい「息子夫婦には給付金がたくさん入るのに、全然助けてくれないのよ〜」と話し始めたのです。「全部って言ってるわけじゃないわよ。ちょっと旅行とか家電買い替えの足しにしたいのにね〜」と訴えます。
その言葉に、一瞬場の空気が凍りつきました。義母の隣にいた義妹が真顔で「お母さん、本気で言ってる? あのお金って子どものためのお金だよ。なんで旅行代にしようとしてるの?」とたしなめます。さらに義父の弟も、「義姉さん、そりゃあ無茶な注文だ。義姉さんの年金を分けろと言ってるのと一緒だ」と批判。みんなが自分に同調してくれるだろうと思っていた義母は、目を丸くし、表情は次第に固まり始めます。そして、とどめを刺したのが義父でした。「おまえ、そんなことを頼んでいたのか? 恥ずかしい! 孫のための金をあてにするなど言語道断だ!」と一喝したのです。
義母は、親戚や義父から叱られ、大勢の親戚の前で恥をかくことになり、顔を真っ赤にして黙り込んでしまいました。もちろん、それ以降、お金の話をしてくることがなくなったのは言うまでもありません。
子育てには想像以上にお金も負担もかかります。だからこそ、子どものための給付金はきちんと子どものために使いたいと私は思っています。どれだけ断り続けても「親孝行」とすり替えられてしまうように、身内の理不尽な要求は、当事者同士の間ではいくら正論を言ってもらちが明かないことがあるのだと今回痛感しました。今回は義母の自爆のような形でしたが、厄介な身内トラブルこそ自分たちだけで抱え込まず、周りの力も借りながらきぜんと対応し、自分たちの暮らしを守っていきたいと学んだ出来事でした。
著者:谷 ふみ/40代・ライター。中学2年生と小学5年生、6歳の3人の男の子を育てるママ。仕事に家事、育児に追われる毎日。子どもたちが寝静まったあと、ひとりでドラマや映画を見るのが楽しみのひとつ。
作画:けだま
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)