念願の妊娠に嫌悪感を示す義母
3年間にわたる不妊治療中に、義母は3日に1回ほどのペースで訪ねてきては「孫の顔を早く見たいのに、何のんびりしてるの」とプレッシャーをかけ続けてきました。不妊の原因がすべて私にあるかのように責め立て、夫が何度注意しても「あなたのためを思って言ってるのに!」と逆ギレするばかり。私はとうに義母へ理解を求めることを諦めていました。
そんな中、念願の妊娠が判明。なんと双子でした。義両親へ報告に行くと、義父は涙を流して喜んでくれました。しかし、義母はあからさまにあきれた表情を浮かべ、「双子〜!? まったくあんたたち、不妊治療にお金もかけたのに、今度は双子だなんて、お金がかかって仕方ないわね!」と言い放ったのです。
命を授かったことへの祝福ではなく、開口一番にお金のことで嫌味を言ってきたのです。しかし、たしかにお金がかかるのは事実だったため、その場では悔しさをぐっと押し殺し、私たちは何も言い返さずに我慢していました。
やがて出産後、義父側の親戚が集まり、双子のお披露目を兼ねた食事会が開かれました。会場での義母は、本家の伯母(義父の実姉)をはじめとする親戚たちへ、「やさしいおばあちゃん」であることを必死にアピール。義母は普段から本家の伯母にはペコペコと愛想を振りまき、見栄を張ることばかり考えているようでした。
ところが、親戚たちが歓談している最中、義母は隣の席の親戚に向かって、「この嫁、不妊治療したいだの、できたらできたで双子だのって、息子の金食い虫でしかなくてほんと迷惑なのよ〜」と周囲にも聞こえる声で吐き捨てるようにぼやいたのです。
会場の空気が一瞬で凍りつきました。夫がたまらず「母さん、いい加減にしてくれ! 治療は俺だって望んでいたことだ。何度も言ったけど不妊は彼女だけに原因があるわけでもない!」と口を開き、義父も真っ青になって「お前、おめでたい席でなんて失礼なことを言うんだ!」と厳しくとがめました。
しかし、義母はふんっと鼻を鳴らし、「なによ、だって本当のことじゃない! 息子のお金がいくらあっても足りないわよ!」と開き直る始末。
その瞬間、上座から「あんたのその浅ましい理屈なら、この私も『夫の金食い虫』だったってことね?」と低く鋭い声が響きました。ゆっくりと立ち上がったのは、義母が最も頭の上がらない、義父の実姉である本家の伯母だったのです。義母が「え……?」と固まります。伯母は親戚一同が見守る中、「今まで誰にも話したことはなかったけれどね、私も昔、長年にわたって不妊治療を経験して、何百万というお金をかけてようやく子どもを授かったのよ」と静かに言葉を続けました。
初めて明かされた事実に、義母は血の気が引き、口をパクパクとさせました。伯母は「夫婦で痛みに耐え、助け合いながら不妊治療を続けた人に向かって『金食い虫』ですって? あんた、親戚中に向かって『孫の顔が見たい』と触れ回っておきながら、いざ生まれたら『金がかかる』と愚痴をこぼすの? 自分がどれだけ恥知らずで矛盾したことを言っているか、少しは自覚があるの?」と厳しく問い詰めました。
義母は「い、いえ、そういうつもりでは……!」とうろたえますが、伯母は「だいたい、息子夫婦が汗水流して稼いだお金の使い道に、1円も援助していないあんたが口を挟む筋合いがどこにあるの? 自分の息子の覚悟や器量を真っ向から侮辱して、親戚の前で恥をさらしているのはあんたよ」と冷たく切り捨てました。
義母にとって最も恐れていたのは、見栄を張りたい相手から自分の言動を厳しく否定されることだったのでしょう。伯母に矛盾を次々と指摘され、ぐうの音も出なくなった義母は、顔を真っ赤にしてうつむくことしかできません。そして夫がとどめを刺すように、「母さん、二度と俺たちにも、この子たちにも関わらないでくれ」と静かに告げ、私たちはそのまま席を立ったのでした。
しかしその後、義母は反省するどころか「親戚の前で大恥をかかされた」「息子夫婦のせいで孤立した」と被害者のように振る舞い、周囲に愚痴をまき散らしていました。当然、私たちは義母とほぼ絶縁状態に。義母は親戚たちからもすっかり愛想を尽かされ、次第に距離を置かれるようになりました。義父はときどき義母に内緒で会いに来て「あいつの無礼を止められず、すまなかった」と謝り、子どもたちをかわいがってくれます。そして全力で守ってくれた夫とともに、私たちは今、平穏で幸せな生活を送っています。
家族や親族という枠組みにとらわれず、自分たちを傷つける相手とはきぜんと距離を置く勇気が必要なのだと身をもって学びました。他人の考え方を変えることは難しいですが、自分たちが安心して過ごせるよう、できる範囲で距離の取り方を考えることも大切だと私は思います。これからは大切な家庭を守るためにも、互いを尊重し合える人間関係を大切にしていこうと思った出来事でした。
著者:横畑りさ/30代・主婦。2歳の双子の姉妹を育てるママ。おてんばな娘たちに翻弄され、毎晩の寝かしつけ後のアイスがやめられない。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)