「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【専門家に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、2021年1月に寄せられた相談のなかから、回答が役に立ったとの声が多かった「生活音が赤ちゃんに及ぼす影響」に関するご相談です。
Q.生活音は気にしなくてもいいのでしょうか
生後2カ月の娘の母です。新生児のころから最近まで部屋を静かにして生活していて、最近はどうしても見たいテレビは声を静かめにしてつけていたのですが、保育士の母がそんなに静かにするより気をつかわずにテレビを見たり普段通りにしたらいいと言っています。本当のところどちらが正解なのでしょうか? 今後の娘の性格などに関わってくるのかなと思って気になります。
在元祐子助産師からの回答
日常生活音や環境についてですが、赤ちゃんがおなかにいたときの状況はいかがでしたか? 赤ちゃんはおなかの中でもずっと日常生活を感じていますよ。むしろ、おなかの中にいたときから、ママさんの体の臓器の音、ママさんやパパさんの声、テレビの音、ぜーんぶ感じています。シーンとした環境で胎児時期を過ごしていませんから、赤ちゃんを静かな環境におかなくてはならないわけではないと思いますよ。
むしろ妊娠中のいつもの生活音に安心感を抱くことも。眠たかったらうるさい環境でも寝ますし、寝ぐずりするならば静かな環境でも泣きます。気にし過ぎず、いつものわが家の環境を心がけていけばよいです。
第二子、第三子になれば、静かな環境などあり得なくなりますし、産休明けで園に入るお子さんであれば生後3カ月でお兄さん・お姉さんに囲まれた賑やかな生活になります。それでもお子さんは、健康に育ちますからね!
※参考:ベビーカレンダー「専門家に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください。
胎児の聴覚の発達
おなかの赤ちゃんの耳は、妊娠6週ごろにはすでに作られ始めています。妊娠20週を過ぎるとおなかの中の音やママの声が聞こえるようになると言われています。そして妊娠32週ごろになると赤ちゃんの聴覚の機能はほぼ完成に近づいていきます。
おなかの中の赤ちゃんには、ママの声、心音、血液の流れ、腸の動く音などが届いていると言われています。その一方で、外の音は大音量でなければ赤ちゃんに届いていないという説もあり、パパの声は届いていないとも言われています。
赤ちゃんが届く音は大人が聴いている音とは異なり、かなりくぐもった音となっています。赤ちゃんは羊水の中にいるので、大人がプールなど水の中で聴くような音を聴いているのです。
赤ちゃんの聴覚の発達
赤ちゃんの聴覚は、生後3カ月を過ぎると呼びかけなどに反応するようになり、生後6カ月ごろにはさまざまな音を聴き分けられるように。そして、2〜3歳ごろまで発達していきます。
発達途中の赤ちゃんのとって、音は発達の助けになることもあれば逆に妨げになることもあります。自然な生活音ややさしい音楽などは問題ないですが、大きな音を聞き続けるのはNG。大きな音を聞き続けると、大人でも聴覚器官がダメージを受けることがあるように赤ちゃんにも同じことが言えます。赤ちゃんの聴覚に問題が生じていることに気づかず放置しておくと、言葉を正確に聞き取れず発音が悪くなるなど、言葉の発達の遅れにつながることもあると言われています。
赤ちゃんはどんな音が好き?
赤ちゃんは単純で繰り返す音によく反応します。同じ歌を何度も歌ったり、歌でなくてもママが抱っこして「だっこっこ、だっこっこ」のような言葉の繰り返しをするとそれに反応します。リズムのある音が心地よく「楽しいな」と感じて安心します。そのほか、赤ちゃんが落ち着く生活音も。
■ビニール袋の擦れる音
スーパーのビニール袋などのカシャカシャといった高めの音は赤ちゃんの耳に届きやすいため、興味を持つお子さんが多い音です。集中して聞いてくれるので、おむつ替え時にじっとせず替えにくいというときにもおすすめ。
■ドライヤー
普段生活の中で聞いている音は、人がそばにいる気配を感じられ安心に繋がる音と考えられます。胎内にいたときに聞いていたママの血流音や外から聞こえる生活音(胎内音)にも似ている点も安心感を覚えて泣き止む理由となっているよう。
■掃除機
ドライヤーと同じ、生活の中で聞いているノイズ音のため、安心する赤ちゃんが多いようです。こちらも胎内音に近く落ち着く音なので、小さな音で聞かせてあげると寝かしつけにも役立ちます。
■シャワー
ザーッと低めの水が発するノイズ音も胎内にいるときに聞いていた音に近く、心地よく聞こえるのでしょう。夜の寝かしつけに聞かせているママもいるよう。
■換気扇
ラジオのノイズ音と非常に近い感じの音。胎内にいた時に聞いていた音に近いと考えられます。リラックスするため、次第に眠りを誘われる赤ちゃんも多いようです。
刺激的な音は赤ちゃんにとってよくありませんが、ある程度の生活音はあまり神経質になる必要はありません。赤ちゃんの成長に合わせて音の出るおもちゃを取り入れるなどして、赤ちゃんにさまざまな音を聴かせてあげるのもよいですね。在元助産師のアドバイスにあるように、気にし過ぎず、いつものわが家の環境を心がけていきましょう。
※参考:
ニュース(暮らし):保育士が教えます!赤ちゃんの好奇心を育てる「聴く」遊び【著者:保育士 中田馨一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長】
ニュース(ママネタ):【試せる動画】本当に効いた!赤ちゃんがピタッと泣き止む音トップ10!
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