こんにちは!助産師のREIKOです。飲んで、食べて、出す……。日々、私たちがおこなっていることですが、生まれたばかりの赤ちゃんも同様です。しかし、生まれたばかりの赤ちゃんのうんちって大人とはちょっと違うんです。そこで今回は赤ちゃんのうんちについてお話ししたいと思います。
生まれたばかりの赤ちゃんのうんち
おなかの中の赤ちゃんは羊水を飲み、おしっこをしていますが、うんちはせずにため込んでいます。そのため込んだうんちは赤ちゃんが生まれてから数日をかけて排泄していきます。この生まれたばかりの赤ちゃんがするうんちは「胎便(たいべん)」と呼ばれます。
胎便は、おなかの中で飲んでいた羊水や、その中に混ざっていた赤ちゃんの髪の毛や皮膚、腸管上皮など、そして新生児黄疸の原因にもなるビリルビンなどが含まれています。そのため、胎便は緑がかった黒っぽい色をしていて、粘り気が強い、独特のうんちをします。においもありません。初めてみる赤ちゃんのうんちにおどろかれるママもたくさんいらっしゃいます。
最初の胎便は生後24時間以内に排泄されることが多く、2~3日で胎便と黄色いうんちが混じった「移行便(いこうべん)」、そして黄色っぽいうんちに変化していきます。
その後のうんち
胎便がなかなか排泄されないと、新生児黄疸が出たり、腸の動きが悪くなったりします。そのため、産院では、赤ちゃんが初めて胎便をした時間やその後のうんちの回数や性状、おっぱいや育児用ミルクの飲み、黄疸の状態など、注意深く観察しています。
胎便が排泄されたあと、おっぱいを飲んでいる赤ちゃんのうんちは、黄色や山吹色に近く、ゆるめで酸っぱいにおいがします。育児用ミルクを飲んでいる赤ちゃんのうんちは育児用ミルクの種類や赤ちゃんによってもさまざまで、黄色・茶色・緑色のうんちをします。白いつぶつぶが混じることもあります。おっぱいを飲んでいる赤ちゃんに比べて、少し硬めでにおいもあまりありません。
こんなうんちのときは要注意!
生まれてから日々変化する赤ちゃんのうんちですが、注意が必要な場合があります。
血が混じっている、真っ赤
うんちが硬く、肛門が切れてしまったりするとうんちに血が混じることがあります。この場合、あわてる必要はないのですが、うんち全体の色が赤かったり、イチゴジャムのような場合だったりしたときは注意が必要です。腸の炎症や重篤な病気が隠れているかもしれません。
黒い
胎便とは別に黒っぽいうんちをしているときは、消化管の出血の可能性も。出産のときにママの血液を飲み込んで、それが排泄された可能性もありますが、どちらなのか判別が必要になります。
灰白色
うんちは胆汁が含まれているため、黄色や茶色です。しかし、先天性の病気が疑われる場合、灰白色のうんちが出ます。母子手帳にも色の目安となるページがあるので参考にしてみてくださいね。
下痢
もともと赤ちゃんのうんちはゆるめですが、下痢のときは水のようです。おむつからはみ出てしまうこともあります。腐ったにおいがするなど、いつもと違うことが多いです。赤ちゃんが発熱しておらず、機嫌がよく、飲みもよければ様子を見てもかまいません。
退院後、赤ちゃんがこのようなうんちをしている場合、受診をおすすめしますが、その際、うんちの写真をスマホなどで撮って持参すると、医師も状況が把握しやすいかと思います。
ママのいちばんの悩み!?便秘のときはどうしたらいい?
退院後のママの悩みのひとつが赤ちゃんの便秘なのではないでしょうか?赤ちゃんのうんちのパターンは、少しずつ頻回に出す子、何日かにまとめて出す子など、個人差があります。まずは自分の赤ちゃんのうんちのパターンをよく観察しておきましょう。
おなかが張って苦しそうだったり、飲みが悪かったりということがなければ様子を見てかまいませんが、そうでない場合は、赤ちゃんのおへその周りから外側に「の」の字を書くようにマッサージしてみましょう。
効果がない場合は、こより浣腸をしてみましょう。方法は、まず大人用の綿棒にオイルをつけ、赤ちゃんの肛門に綿球部分をやさしく挿入します。次にゆっくり円を描くように綿棒を動かします。綿棒は奥まで入れないことと、刺激している間は綿棒から手を離さないようにじゅうぶん注意しましょう。
日に何度もおこなう、おむつ交換。赤ちゃんのうんちを観察して、健康チェックをしていきましょう。うんちをしたあとのスキンケアも大切です。赤くなっていないか、湿疹はできていないかなども見てくださいね。
著者:助産師 REIKO
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。