今回は、保育園の保育料の考えかたと助成制度についてお伝えします。保育園に通われるお子さんを持つご家庭には今後の見通しとして、来年以降お子さんを保育園に通わせようか検討されている方は今後の参考としてご確認ください。
保育料は認可保育園と認可外保育園で違う
厚生労働省が調査した『平成24年 地域児童福祉事業等調査結果の概況』によりますと、1世帯における児童1人あたりの月額保育料の平均は20,491円で、3万円以下の割合は79%でした。しかし、認可保育園と認可外保育園の保育料の基準や計算方法は大きく異なりますので、それぞれの考え方をかんたんにお伝えします。
認可保育園は、①市区町村ごとの基準、②所得や市町村税額等の基準、③子どもの年齢、④子どもの人数の4つの要件で保育料が決まります。
例として人口の多い、横浜市と大阪市で平成29年度の内容を比較してみます。
①最も高い基準の場合、横浜市では月額7万7,500円ですが、大阪市では7万600円です。
②横浜市は30段階、大阪市は23段階の基準があります。
③横浜市は、0~2歳児と3歳児以降の2区分、大阪市は3歳未満児、3歳児、4歳以上児の3区分に分かれています。
④いずれも1人目、2人目(1人目と同額か安くなります)で異なり、3人目は無料となります。
各市区町村によって基準や保育料が異なりますので、お住まいの市区町村の児童福祉の担当部署やホームページなどで確認してみてください。隣り合う市区町村でも異なることが少なくありません。
認可外保育園は、保育園ごとに保育料を設定します。認可保育園と異なり多くの場合、所得や子どもの人数の影響はありません。なお、所得の高い世帯の場合は、認可保育園と比較して安くなることもあります。
認可外保育園の場合は助成金が受けられる場合も
認可保育園は、公立・私立を問わず保育園に国や地方自治体から補助を受けているので、上記の基準で保育料が決まりますが、費用の一部を利用者が負担する形となりますので、原則補助はありません。
しかし、認可外保育園は、保育園ごとの保育料を決めるので、所得の少ない方からすると認可保育園と比べると負担額が大きくなってしまいます。そのため、多くの市区町村で申請すると助成金が支給されます。
たとえば、横浜市では、横浜市の基準を満たしている認可外保育園(横浜保育室と呼ばれます)では、市民税の基準によって、月額10,000円~50,000円の助成を受けることができます。これらの助成制度は、市区町村ごとに異なります。助成制度の有無や助成の基準や金額が異なりますので、お住まいの市区町村に確認してみましょう。
これから保育園の入園を検討される方は、施設や保育の内容が重要であるのは言うまでもないことですが、費用がどの程度かかるか、助成が受けられるかを合わせて考えるきっかけにしていただければと思います。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。