胃腸炎が流行る季節です。
ロタウィルスの予防接種はどういう判断をすればいいのでしょうか?
Q. ロタウィルスの予防接種について
生後14週6日を1週間すぎました。かかりつけの小児科ではもう接種は無理と言われましたが、他の小児科にあたった所、大丈夫との返答でした。ただ、14週と6にちという期限を過ぎて、腸重責のリスクを背負うか、接種せずに、ロタウイルスにかかった時に重症化するのとどちらを選択したらよいか迷っています。
A.リスクを考慮して検討しましょう。
ロタウイルス感染症は急性胃腸炎の重要な原因ウイルスです。発熱,嘔吐,下痢を来たし,脱水やショックをきたすこともあります。ロタウイルス感染がワクチンで予防可能になったことは喜ばしいことですが,やはり副反応はあります。腸重積が最も重要で,頻度は10万人に1.5と報告されています。また,1回目の接種後に副作用が起きやすく,2回目以降(ロタリックスは2回内服,ロタテックは3回服薬です)は少ないとされています。1回目の接種が14週6日までに済ませることが推奨される理由は,1回目に副作用が出やすいためと考えられます。これは推奨なので,15週以降に内服してはいけないというわけではありません。希望があれば接種してもらえるクリニックで接種するのもよいと思います。ワクチンは常に利益(ベネフィット)と危険(リスク)のバランスで考える必要があります。初期のロタワクチンに比較すると副反応の率は10分の1になったとされています。 ロタウイルス胃腸炎は,稀に尿路結石をきたしたり,極々稀に小脳炎(小脳性言語障害を残すことがあります)を来すこともあります。しかし,多くはこまめに水分補給をすれば入院せずに治ります。早産児,慢性疾患,障害のあるお子さん等は重症化しやすいので接種をお勧めします。(回答/松井潔先生)
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