陣痛の痛みを和らげる方法のひとつといわれているソフロロジー分娩。どんな分娩方法なのでしょうか。ここでは、ソフロロジー分娩の特徴、メリットや効果、デメリットについてお話しします。
ソフロロジー分娩とは?
ソフロロジー分娩の特徴といえば、「陣痛のとらえ方」にあるといえます。「痛い」「つらい」と考えがちな陣痛を「赤ちゃんに出会うための大切なステップ」、痛みは「エネルギー」であるとプラスに考えるというものです。ソフロロジー分娩は、陣痛の痛みを受け入れ、リラックスした状態で分娩に臨むことで、痛みを和らげることができるといわれています。
ソフロロジー分娩のためには、妊娠中からのイメージトレーニングやエクササイズを重ねることが必要になります。
ソフロロジーのメリット・効果はどんなものがある?
ソフロロジーにはたくさんの効果があります。なんといっても陣痛の際に痛みを受け入れ落ち着いてお産ができるということです。
呼吸法により十分な酸素を胎児に供給できるということと、リラックスできるという精神的な負担の軽減、また赤ちゃんが出てくるうえで重要な要素のひとつである、会陰の伸びが良くなります。結果として会陰切開が不要になることもあるようです。
ほかには、妊娠中から、赤ちゃんが成長し、生まれてくるイメージを持つことで、出産に対し前向きになり、母性を育むことができます。
ソフロロジー分娩のデメリットを知ることも重要!
ソフロロジーに関してもメリットもあればデメリットもあります。いったいどのようなデメリットがあるのでしょうか。
陣痛はあって当然、ママと赤ちゃんとの結びつきを強くして、ありのままを受け入れて出産に望むというソフロロジー分娩のスタイルは、合う方・合わない方がいらっしゃいます。
ソフロロジーは痛みに弱い人には向いていますが、イメージトレーニングの苦手な方には不向きな方法と言えます。呼吸法をおこなう前提にまず陣痛の痛みを赤ちゃんが生まれてくる幸せなイメージなどを連想し、陣痛の際に落ち着いて呼吸するように呼吸法の練習をします。
いざ出産となると想像していた以上の陣痛の痛みに、落ち着いて呼吸ができない、またポジティブな感情が持てなかったという方もいらっしゃいますので、ご自分にあっているかどうか見極めることが大切です。
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
※参照元:ベビーカレンダー「ソフロロジー分娩とは?効果やデメリットは?独学でもできる?」
ソフロロジー分娩を経験したママたちの体験談
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私は妊娠中、経験したことのない陣痛に対して、とにかく不安ばかり膨らませていました。そんなとき、産院で「ソフロロジー式出産法」の講習を受け、それまでの不安な気持ちを前向きに切り替えることができました。ソフロロジー式出産法では、「陣痛が赤ちゃんを後押しする」という考え方をします。せまい産道を抜けてくるのだから、つらいのは赤ちゃんも一緒!赤ちゃんが少しでも楽に生まれてこられるよう、リラックスして、産道を拡げてあげることがママの役目だと思いました。もうひとつ、ソフロロジーで大切なのは、妊娠中から赤ちゃんをイメージすることです。出産前から赤ちゃんを感じることで、お産も「赤ちゃんと一緒にがんばる」と前向きにとらえられ、より愛情を深めることができるといわれています。私の場合、事前の講習を受けたり、そこでいろいろな体験談を聞くことで、より赤ちゃんやお産のイメージを膨らませることができ、出産後は赤ちゃんへの感謝の気持ちとともに育児を始めることができました。リラックスしたお産を大切にする「ソフロロジー式出産法」。おかげで、私は前向きな気持ちでお産を迎え、その後の育児を楽しむことができています。(里川まちこさん)
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1人目の出産は、ずっと「痛い痛い!」と叫んで出産した私。ふだんは静かな性格なので、主人もおどろいているほどでした。もちろん体力をかなり消耗して、意識も朦朧。出産ってこんなに大変なのねと思っていました。一方、2人目の出産ではたまたま「ソフロロジー式分娩」をおこなう産院になり、事前研修のビデオで、妊婦さんがまったく叫んでいない出産の様子を観ました。こんな静かに子どもって産めるものなの!?と驚愕。せっかくだから、試してみようと思ったのです。ソフロロジー式分娩とは、イメージトレーニングや呼吸法などを使って、お産に向けて前向きな気持ちで取り組む出産方法のこと。ヨガの呼吸法や禅の座禅・瞑想に似ているので、リラックス効果が高く、日本人にも向いているといわれています。私の通う産院では事前にソフロロジー式分娩用のCDが配布され、お産までこの音楽を聴きながらイメージトレーニングをしました。オルゴールの音楽で、今でもこの音楽を聴くとリラックスできます。分娩室で流れるソフロロジーの音楽を聴きながら、リラックスを心がけ、さらに「叫ばない」で出産することが私の目標です。2人目ということもあり、少し余裕もあったため、陣痛の最中に気が付いたことがあります。それは、叫んでも叫ばなくても、痛いのは同じということ!でも、もちろん痛いのですが、叫ばないことで体力を無駄に使わず、出産に集中できました。さらに、出産後の体力も、1人目のときよりもかなり残っていたように思います。個人差もあると思いますが、ずっと大きな声を出しているとかなり体力を消耗するものです。どんな方法でもいいので、少しでも体力を温存しながら、赤ちゃんが生まれてくる瞬間を迎えられるといいですね。(nagyさん)
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陣痛が始まり、間隔も5分毎にくるようになりました。陣痛と陣痛の間は本当に痛みが引くので水を飲んだり話もできます。陣痛が来ると1ミリも動けず痛みに耐えていました。
私は妊娠中に産院から指導された「ソフロロジー呼吸法」を実践したからか、一度も大声を出さずに出産しました。深呼吸をゆっくり深くすることで母親はリラックスでき、赤ちゃんも苦しまず生まれてくるそうです。ひと口に陣痛と言っても痛みの度合いや感じ方は人それぞれです。現代ではさまざまな出産スタイルがあるので、自分に合った出産方法を見極めて幸せな瞬間を迎えてくださいね。(小林まなみさん)
いかがでしたか? ソフロロジー分娩にはメリットとデメリットがありますが、興味を持たれた方は、ソフロロジー分娩をおこなっている産院を探してみるといいですね。そしてしっかりと産院の説明を受け、自分にあった選択をしていただければと思います。
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