「スマホを使用しすぎると悪影響があるらしい」とは聞くものの、実際にどういった弊害があるかはいまいちわからないのではないでしょうか。
東北大学が仙台市教育委員会と共同でおこなっている「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」は、スマホの使用が子どもたちの生活や学力に与える影響について調査を重ねてきました。 その調査結果から見えてきた、子どもの学力とスマホ使用の関係について紹介します。
スマホを使い続けると学力が下がる!?
平成28年3月に「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」が発行した「仙台市の子どもの学力とスマホの関係」によると、勉強時間が30分以内でもスマホを使っていない子のほうが、2時間以上勉強してスマホを4時間以上使用している子よりも、数学の平均点が高い傾向にあるとのこと。
つまり、スマホの使いすぎは学力に悪影響を与えるということになります。ただし、2時間以上勉強してスマホの利用時間が1時間より少ない子の平均点が最も高いという結果も出ています。
スマホの使用をやめても悪影響が続く!?
さらに怖いのは、これまでスマホを1時間以上使い続けていた子どもたちは、使うのをやめても成績が下がってしまうことがわかったというのです。一方、使う時間が1時間より少ない子どもたちは平均点も高く成績が上がっているという結果に。決して、使ってはいけないということではなく、長すぎる使用が成績に影響してしまうようです。
また、「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」の「平成29年度リーフレット」によると、スマホを使用しないか、1時間未満の使用に抑えるようにした子どもたちの成績は上がり、1時間以上使用するようになった子どもたちの成績は下がるということもわかったといいます。スマホの使用時間の変化と成績の変化に焦点をあて、同じ子どもを追跡することで経年変化を捉えたと伝えていました。
早いうちから使用時間の管理を
1歳くらいからでも子どもはスマホやタブレットの使い方をすぐに覚え、夢中になることも多いです。親としても大人しくしてくれてラクなので、ついついスマホを渡していまいます。
わが家でも家事をしている間のみスマホを使ってもいいことにしていましたが、それだとすぐに1時間経ってしまうので30分のタイマーを設定して見せる方法に変更しました。早いうちからそういうものだと教えることで、子どもも納得して使ってくれています。
今回の結果は、決してスマホを使うな、ということではないことも教えてくれています。スマホを使うことで、デジタル機器に小さいうちから慣れ親しむことができたり、言葉を覚えることにつながったりといったメリットも感じています。スマホとじょうずに付き合うようにしたいものです。
4歳女児の母。旅行雑誌編集デスク、アルバイト情報サイト編集長を経て、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。現在、モロッコ在住。自身の経験からママたちと共有したい情報を発信中。メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーの資格を持つ。
※参考:学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト「スマホを長時間使っても勉強していれば大丈夫!って本当?」・「平成29年度リーフレット」