「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板から派生した、食と栄養についてお答えする【管理栄養士に相談】。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、仕事や家事に追われ離乳食を手作りするのがつらいというご相談です。
Q. 離乳食を手作りする時間と気力がありません……
生後7カ月の男の子がいます。離乳食を開始して、もうすぐ2カ月経ちます。2回食でもぐもぐ期に入ったばかりです。なんでもよく食べます。もともと大きめで生まれましたが、生後6カ月で成長曲線を飛び越え、現在10.3kgです。
共働きのため昼間は保育園に通い、午前中に1回目のごはんを食べて(園の手作り)、2回目は帰宅後18時ごろに食べています。初期のころから家ではすべてベビーフードでまかなっています。レンチンかお湯で溶くタイプのもののみ。市販されていないものはさすがに材料を買いましたが、それもバナナと豆腐だけです。
まとめて作ってフリージングといいますが、まとめて作る時間と気力がありません。大人のごはんすら産後ほとんど作れていません。園の送り迎えと仕事と最低限のお世話でいっぱいいっぱいです。手作りしたくてもできない自分が嫌になってしまいました。どうしたら普通のお母さんみたいに離乳食作りを頑張れるんでしょうか?
矢部まり子管理栄養士からの回答
今までそうされてきたのであれば、無理に変える必要はないように思いました。無理をすると疲れると思いますし、食べてくれなかったりしたらイライラしてしまったりすると思いますので。
ただ、市販の離乳食だけでは(商品によって)たんぱく源が不足していることがありますので、成分表を見て不足していると感じたらシラスの湯通ししたものをお粥に乗せてあげるとか、主食だけは卵粥をつくってあげるなど、簡単にできそうなところから始めてみてはいかがでしょうか? 無理ない範囲でお試しくださいね!
※参考:ベビーカレンダー「管理栄養士に相談」コーナー〈 https://baby-calendar.jp/talk/category/tree/13/0 〉
離乳食作りに時間がかかるのはなぜ?
離乳食を<作る><食べさせる><片付ける>の3つを1日3回していると、1日中離乳食で始まって離乳食で終わる毎日になってしまいます。ほかにもしなくちゃいけないことがあるし、自分の時間も取りたいですよね。どうして時間がかかるのか、ママのお話を聞いてみると共通点が3つありました。
・赤ちゃんが思うように食べてくれない
・食べさせるのに1時間ほど時間がかかる
・毎食違うメニューを用意している
まず、大きな原因が「赤ちゃんが食べてくれない」ということ。食べてくれないから食事に時間がかかり、食べてくれるメニューを作るために思考錯誤しながら毎食バリエーションを変えて離乳食作りをしている。本当にママたちはすごいと思います。これだけしているのに、赤ちゃんが離乳食を食べてくれなかったら心が疲れてしまいますよね。
ママもラクしてOK
毎回ママの手作りでなくてもいいんです。家族に離乳食作りをお願いする。疲れたときは市販のベビーフードに頼ってもOKです。
たとえば離乳食で活躍したのが汁物メニュー。たっぷりの野菜、豆腐、しらすなどが入った汁物を1つ多めに作っていたら、離乳食だけでなく大人用にも使えます。また、汁物メニューはアレンジが可能。 ご飯を入れて雑炊に、うどんを入れて具入りうどんに、 片栗粉でとろみをつけてご飯にかければあんかけご飯、茶碗蒸しにかければあんかけ茶碗蒸しなどなど、たくさんのメニューに変身します!
容量のよさも育児の力量
ママの要領のよさ、頭の柔軟性も、子育ての力量のうちです。「子どもは手作りの食事で育てなければいけない」と、そう思って頑張りすぎている方に、「もっとガンバレ!」と追い討ちをかけるような情報ってどうなの?と感じます。
そもそも、栄養的な要素という視点から考えても、「手作り=最高」というわけではありません。「ファーストフードは絶対ダメ!」という意見も聞きますが、トータルでバランスが取れていれば、たまにはいいのではないかなぁと思います。子どもの食事は、全体でバランスがとれていればじゅうぶん合格だと思うのですが、いかがなものでしょうか。
「これを食べると頭が悪くなる」「これを食べると健康によくない」といった類の極端な節制はしなくていいと思います。食育は最低限の基本さえおさえていれば、あとは適当なところがあってもいいのではないかとも思います。肩の力を抜いて子どもの食事に向き合ってみましょうね。
※参考:ニュース(食・レシピ)「 毎日の離乳食作りに時間がかかる!どうすればいい?」〈 https://baby-calendar.jp/smilenews/detail/4386 〉【著者:離乳食インストラクター協会代表理事 中田馨】、ニュース(食・レシピ)「疲れていても赤ちゃんには手作りの食事でなければいけないの?」〈 https://baby-calendar.jp/smilenews/detail/1064 〉【著者:助産院ばぶばぶ院長 助産師HISAKO】
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