赤ちゃんの皮膚は乾燥するとすぐにカサカサしたり赤くなることも。皮膚の炎症の薬といえばステロイド軟膏ですが、赤ちゃんに使っても大丈夫なのか心配するママもいると思います。そこで、ママたちにステロイドのイメージ調査をしました。小児科医が教える安全な使い方もチェックしてくださいね。
ほとんどのママたちが赤ちゃんの肌トラブルの際に、ステロイド軟膏を使ったことがあるようです。でも、そのうち95.3%が病院から処方されたものを調剤薬局で購入したということなので、病院が出してくれたから使うものというイメージのよう。
ほとんどのママが使用しているにも関わらず、ステロイド軟膏に不安を感じている人は53.5%と半数以上。どちらともいえないという人も加えると約70%の人が、ステロイド軟膏に対して安心して使えていないことがわかりました。
ママたちに詳しく聞いてみると、ステロイドに対してのイメージは大きく3つに分かれているようです。あなたは一番どれに近いですか?
「適量なら使用しても問題は無いとは思うが、つい使い過ぎてしまいそうで怖い」
「どう怖いかは知らないけれど、なんとなくステロイドは怖い、というイメージがあり抵抗が大きい」
「強い薬のイメージがあるので、できれば赤ちゃんに使用したくない」
「肌に刺激が強すぎるのではないかと不安がある」
「大人にはよく効くけど、赤ちゃんには強いのではないかと思う」
「初めはステロイド剤に抵抗がありました。でも赤ちゃんを早く症状を治してあげることを考えた」
「ずっと使い続けるのは嫌だけど湿疹が続くのは可愛そうなので、一回しっかり治すためにステロイドも使う必要があると思う」
「ステロイドを使うと1日2日ですぐ治る。自然治癒も大切だが、薬を使うことで早く治るのならば使用しても良いのではと思う」
- 医師から処方されたステロイド軟膏については使用している
- ステロイド軟膏について不安を感じるママは約半数
- 不安に感じるママは漠然とした不安とステロイドは強い薬というイメージがある
教えてくれたのは新大塚こどもクリニック院長
杉田えり先生2006年東京女子医科大学卒。同大病院小児科に入局後、葛飾赤十字産院および東京女子医科大学母子総合医療センター(NICU)に勤務。小児科専門医、周産期(新生児)専門医を取得後、2016年に小児、新生児の診療を専門に行う「新大塚こどもクリニック」を開院した。自身の育児体験を生かし、育児相談など子どもを持つ親のサポートにも注力している。
ステロイドはポイントさえ分かっていれば、赤ちゃんの肌トラブルの味方になってくれるもの。漠然とした不安を持っているママも、安心して使えるように小児科医に正しいステロイド対処のポイントを聞いてみました。
POINT1
ステロイド軟膏を使うメリット
乳児湿疹やアトピー性皮膚炎などの皮膚の症状が続くことで、食物アレルギーなどのほかのアレルギーを起こすことが知られています。赤ちゃんの湿疹の治療をしっかり行うことがほかのアレルギーを予防することにつながる可能性があります。
POINT2
ステロイド軟膏を正しく使う目安
FTU(フィンガーチップユニット)といって、チューブから軟膏をお母さんの人差し指の第一関節まで出した量をその手のひら2枚分の面積に塗るのが適切な量です。患部の広さに合わせてお薬の量を調節して下さい。
使用期間については最初の数日で効果がない場合は受診したほうが良いでしょう。効果がある場合は、肌の赤みが取れただけで中止にせず、肌のかさつきが収まるまで塗り続けると薬をやめてすぐに湿疹が戻るということがなくなります。
塗るタイミングとしては朝と夜のお風呂上りが良いでしょう。また、赤ちゃんが舐めてしまうことを心配するママもいると思いますが、弱いタイプのステロイド剤で適切な量を塗っている程度であれば問題ありません。
POINT3
保湿剤とステロイド軟膏の使い分け方
肌に赤みがなくカサカサした感じだけであれば保湿剤。赤みがあったり痒みがあったりする時はステロイド剤が必要になることがあります。
赤ちゃんの皮膚には、バリア機能に合わせて適切なランクの外用ステロイドを選択することが大切です。「コートf MD軟膏」は赤ちゃんでも使用できるウィークというランク。炎症を長引かせてしまうよりは、かゆみを抑えて早く治すことが大切です。