みらいウィメンズクリニック(千葉県印西市)院長インタビュー
「患者さんが希望する出産」をサポートします
「みらいウィメンズクリニックは、産院の方針や先生の方針でお産をするのではなく、患者さんに十分ヒアリングしながら相談に乗り、“患者さんが希望する出産”をサポートすることにスタッフ一同で努めています。問診やインタビューで、患者さんのバースプランについて何度も相談を重ねることによって、患者さんの希望に寄り添いながら“幸せなお産”を実現するための対応をしています」
「そうはいっても、お産ですから必ず予定通りにはいきません。たとえば、無痛分娩希望の患者さんでも状況に合わせて柔軟な対応をしています。そのときどきで患者さんに『こうしたらどうですか?』という相談を重ねながら進めて行っています。なかには安全に出産するために医療的なガイドライン上、希望通りにはいかないこともありますが、できるだけ患者さんとコミュニケーションを深めて、希望のお産となるようサポートしていくことを基本としています」
もうひとつの特徴は「栄養」
「妊娠期間中は、新しい家族が増えるということで、患者さん本人も、周りのご家族も“栄養についての習慣を変えよう”と努力する時期なんです。今までの食生活がよくないと、いいものに変えようと努力をされます。喫煙者だった方はタバコもまったく吸わなくなり、合併症があった方は私たちの注意事項をきっちりと守ってくださることがとても多いです。実は、女性の方はお産をキッカケに、その家庭における子孫の方向性を決めていくんだと思うのです。自分が母親から教えてもらった食生活は、大人になっても変わっていないものです。食習慣は家族で引き継がれていくものなんです。なので、この重要な妊娠期に『食』を考えるキッカケ、機会をたくさん提供していくことにより、いい家庭をつくってもらいたいと思っています。そのために、管理栄養士を3名常駐していただき、妊娠期間中に栄養相談をしっかりできるような仕組みにしています。また、料理教室も週1〜2回開催しながら体験とセットで指導をしていっております」
みらいを見据えてつけた院名が「みらいウィメンズクリニック」
「2011年の震災時に開業準備をしていたということもあり、開業する際はいろいろと考えさせられました。みらいウィメンズクリニックの建物の工期も伸び、日本全体が不安定になっていた時期でした。産院の名前は、地名や院長の名前をいれるのが簡単ではあったものの、『みらい』を見据えてがんばっていくことが大事だという思いから『みらい』という院名にしました。とても、いい名前だと思っています」
「自慢なのはスタッフ!」と笑顔で即答!
「当院のいちばんの自慢は“スタッフ”です。いいスタッフが集まっていると思っています。また、スタッフ全員がクリニックの方針(1.患者さんのやりたいことを尊重、2.栄養指導力)を理解しつつ、実践してくれているところがありがたいですね」
妊娠期の体重増加ガイドラインで特許を取得!
「私の大学での研究テーマは“妊産婦の栄養管理”ということで、ずっとそこに着目してきました。その研究の中で、厚生労働省が出している妊娠期の体重増加のガイドラインに対して、妊娠何週何日で何キロまでが標準ラインなのかというグラフを日本で唯一導き出すことができました。私が作ったグラフ以外は、出産時の最終体重しかなかったり、体重増加が一直線だったりと、正確ではないように思います。私のグラフは日別(妊娠何週何日)のものを出すようにしているので自分の体重が許容範囲なのかが一目瞭然なんです」
「このガイドラインは、産院で患者さんにもお配りしていて、もうすぐスマホアプリが完成予定です。とても簡単に体重管理ができるようになるので、楽しみにしていてくださいね」
妊娠期の心のケアも大事なこと
「妊娠期のマタニティブルーズをサポートできるように、臨床心理士2名による心のケアを行っています。ケアを続ける中で、地域で求められていることをよくよく観察して対応していきたいと常々思います。20年前に比べて、今は孤立しているママが多いように思います。さらに、世の中は情報で溢れ、正しい選択をすることが難しくなってきていることも事実だと思うのです。そんな中、本当に価値のある、役に立つ情報は身近にいる家族の言葉だったりするんですね。できるだけ家族の言葉に近い状態で、当院もサポートをしていく仕組みを提供し続けていきたいと思います」
最適解はわからない、でも相談しながら見つけていこう
「当院のスタッフがこだわっているのは、“いつでも患者さんの話をじっくり聞くこと”。お産は、状況によって変化するものです。そのときどきでしっかり患者さんの話を聞いてアドバイスをしながら、そのときどきの最適な判断をできるようにスタッフ一同で考えていく。そんな医院です」