【助産師監修】スリングの使い方を解説!ママと赤ちゃん密着抱っこ
大きな布一枚ですっぽりと赤ちゃんを包み込むスリング。シンプルな形状なのに安定感があり、サイズ調節も自在なので新生児期から長く使用できるアイテムとして人気が高まってきています。しかし、売られているままの状態では完成形がなかなか想像しづらいですよね。正しい形が分からないので使用できないという方は、こちらの動画と解説をご覧ください。正しく装着することが事故防止にも繋がりますので、しっかり覚えましょう!
- 【目次】
- ・スリングの形づくりの手順
- ・スリングによる基本抱きの手順
- ・スリング抱っこのここがすごい!
- 監修者:助産師 宮川めぐみ
スリングの形づくりの手順
スリングは準備が8割と言われているくらい、この工程はとても大事。慣れれば簡単なので、しっかり覚えましょう。今回は、リング付きのスリングを使用します。
1. スリングを広げたら、テール(リングが付いていない方)の端に、おおまかにギャザーを作ります。
2. ねじれがないか確認して、テールをリングに通します。布製のベルトを金具に通すときの容量です。
3.テール(リングから垂れている布)とポーチ(赤ちゃんが入る部分)の長さがちょうど3等分になるようにします。これが、普段9〜11号の洋服を着ている方にちょうどいいサイズです。※全長180cmのスリングの場合 パパなど大きい体格の方は、輪っかの大きさを調節して装着します。
4.リングに通した部分の布を端から真ん中に向かって、指でつまんで、ちょっとずつ引き出すようにしながら、ていねいに扇状に広げます。
5.リングを通る前の布とリングを通った後の布を一緒に掴んで引きます。すると、リング全体に布が覆いかぶさります。こうすることでポーチが広げやすくなるのと、赤ちゃんが入った後の調整がしやすくなります。
6.(右利きの場合)リングが向かって右側にくるように持ち、輪に左手を差し込んでたすき掛けにします。右肩に肩あて、鎖骨のあたりにリングが来ていればOKです。
7.背中側にねじれやたるみがないか確認しましょう。
8.ママの体側(内側)の端をアンダーレール、赤ちゃんが入ったとき背中にあたる側(外側)をトップレールと呼びます。背中から余分な布を前に持ってきて、そのままアンダーバストにアンダーレールが密着するように胸と平行に沿わせます。
9.リングを指で押さえながらテールの外側(腕の方)の端を引くとアンダーレールが動きますので、そこを引いてアンダーバストの布のたるみを調節します。
スリングによる基本抱きの手順
1.赤ちゃんが入るポーチの底がおへそのあたりになるように調整します。
2.赤ちゃんを抱き上げます。左肩に高めに乗せて、左手でお尻を支えましょう。このとき、右手はポーチの内側に差し入れます。
3.さっきポーチの内側に差し入れた右手で赤ちゃんのお尻を支え直し迎え入れ、膝下がポーチの外から出るようにします。左手は布の外側(トップレール)の端をつかんで、赤ちゃんの首の辺りまで引き上げます。
4.そのまま、ママが少し前かがみになって、先ほど引き上げた布に赤ちゃんを預けます。左手は布と赤ちゃんをしっかり支えつつ、右手で余った布をなでおろし、赤ちゃんのお股にオムツを当てるときのように入れ込みます。赤ちゃんの足がママの脇の下に入り込むように右手でM字に開脚させ、ひざの裏にアンダーレールがあたるくらいまで、お尻がすっぽり覆われる形にしてからママは体を起こします。
5.トップレールの緩みをリング側に持っていき、テールの内側(体側)の端を赤ちゃんの方に向かって左方向に引いて締めます。
6.余ったテールはねじって首の枕に。
7.背中によじれがないか確認し、右手で肩の布を外側に広げます。布が背中〜肩全体を覆うことで体への負担が少なくなります。
8.基本抱っこの完成!
スリング抱っこのここがすごい!
●安定感抜群なので、両手を使って家事ができる!
● 少しゆるめれば そのまま授乳できる!
●大きさを細かく調整できるので、新生児〜3歳くらいまで長く使える!
上手に装着できれば赤ちゃんが自分の身体の一部のように密着するので、かなり動作が楽になります。赤ちゃんの寝かしつけに苦労している、家事をする時間がない、というママはぜひ一度おためしください。
監修者:助産師・特定非営利活動法人だっことおんぶの研究所認定 ベビーウェアリングコンシェルジュ※ 宮川めぐみ
2001年京都第二赤十字看護専門学校卒業、2002年国立病院東京医療センター附属東が丘看護助産学校助産学科卒業。産科病棟にて約12年間助産師として勤務し、多くの妊産婦、褥婦、新生児のケアに関わる。現在は個人で東京23区内で新生児訪問、母乳育児相談を中心に母子のケアに携わる。
※ベビーウェアリングコンシェルジュとは、親子ともに安全で快適な抱っこやおんぶを指導します。素手だけでなく、各種道具(子守帯)を使っても実現できるように指導できる技術を有しており、専門の教育を受けた者です。世界中には60以上のベビーウェアリング・スクールが開設されています。日本ではだっことおんぶの研究所が主催する養成講座のみがベビーウェアリング・スクールとしてカウントされています。