【小児科医監修】新生児月経の原因と出血を伴う注意したい病気

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師TANI先生
小児科 | 小児科医

杏林大学医学部卒業。葛飾赤十字産院の勤務を経て都内大学病院に小児科医として勤務。小児科専門医で、乳幼児健診や子育て相談、アレルギー診療にも携わっている。

 

新生児月経のイメージ

 

生まれたばかりの女の子の腟から出血しているとびっくりする方や健康に問題は生じていないのか心配な方も多いと思いますが、これは新生児月経の可能性があります。

今回は、新生児月経の原因と出血を伴う注意したい病気についても解説したいと思います。

 

 

新生児月経とは?

新生児月経とは、女の子の新生児期に起こる性器出血のことです。

 

オムツに少量の血液が付着しているのを見つけて気づくことが多いようです。性器からの出血ということであわててしまう方もいるかと思います。

 

これは、ママのおなかの中にいるときに女性ホルモンのエストロゲンが胎盤を通じて赤ちゃんに移行し、月経を引き起こすと考えられています。ママの場合と同じメカニズムで起きた月経のため、特別異常な症状はありません。

 

エストロゲンが消失すれば症状は止まるため、特に治療は必要ないとされています。清潔な状態を保つために、できるだけ頻繁にオムツを変えるなどして対処しましょう。

 

 

その他のママからもらう女性ホルモンの影響で起こる現象

ママからもらう女性ホルモンの影響で起こる症状には、新生児月経のほかに「魔乳」があります。女性ホルモンの影響で乳腺が発達して膨らみます。500円玉程度の大きさになり、乳汁が分泌されることがありますが、赤ちゃんの健康に支障をきたすことはありません。

 

 

出血を伴う注意したい病気

もし、性器ではなく肛門からの出血の場合には、消化器系の病気が疑われます。新生児に起こり得る消化器系の病気は次のとおりです。

 

・新生児メレナ
消化器から出血することで便に血が混ざります。原因はビタミンKの不足とされており、現在では出生後すぐと生後1週間、生後1カ月の合計3回ビタミンKシロップを投与することになっています。

 

・ミルクアレルギー
ミルクに含まれる牛乳の成分にアレルギーがあると、その反応として大腸に炎症が起こることがあります。それに伴う出血によって便に血が混ざります。母乳で育てる場合にも起こることがありますが、この場合はママが牛乳を飲むのをやめると改善に向かいます 。

 

・腸管リンパ濾胞増殖症
大腸の粘膜に凹凸ができて、そこから出た血液が便に混ざることがあります。原因は不明で、点状から線状の血便として見られること、血便があるにも関わらず赤ちゃんが元気であることが特徴で、多くは数カ月で改善します。

 

・腸重積
腸が腸の中に入り込む病気で、血液や粘液が混ざった便が出ます。非常に強い腹痛が起こるため、激しく泣いたり嘔吐したりすることがあります。重篤な病気であるため、すぐに処置を受けなければなりません。

 

現れている症状によっては、一刻を争う事態の場合もあるので、少しでも異変を感じた場合はクリニックを受診することをおすすめします。

 

 

まとめ

新生児月経は、おなかの中にいたころにママからもらった女性ホルモンの影響で起こる月経のため、自然に治まるので特に治療は必要ありません。しかし、性器出血と思われるような血液がオムツに付着していた場合には、肛門からの出血ではないか、どこか切れているところはないかなどチェックしましょう。心配な方は早めにクリニックを受診してくださいね。

 

 

 

 

 

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