植松紀子先生インタビュー(2/4)

---確かに、妊娠中から子どもを中心にした生活パターンを築くことは本当に大切だと思います。でも、1歳半過ぎる頃になると、今度は何にでも「イヤイヤ」言い出すので本当にママは疲れてしまいますよね。こんなときはどうしたらいいのでしょうか?

1歳半頃から、子どもの自己主張に悩むお母さんたちが増え始めますね。せっかく食事を用意しても、気に入らないとギャーギャー言って抵抗する。靴下を履かせようとすると、そっくり返ってわめく。でも、子どものこうした抵抗には、すべて意味があるんです。 1歳半から3歳くらいの時期を、「第1次自立期」といいます。いままではお母さんべったりだった赤ちゃんにも、「あれがしたい」「これはヤダ」という意思が芽生え始めるのです。でも、この時期の子はまだ言葉でうまく伝えられませんよね。だから、ギャーッと泣いたり暴れたりすることで、自分の意思を伝えようとするんです。 こういう手の付けられないような抵抗が、はっきり出ている方が正常なんです。大人しくお母さんの言いなりになっている方が、むしろ心配。自立の時期が遅れているということになりますからね。

だからこの時期、お母さんは子どもの要求をよく見極めて、受け止めること。イヤだと抵抗しているのに無理強いしたり、無理やり押さえつけたりすると、子どもは自己主張をはっきり出せなくなってしまうのです。お母さんは腹をくくって、この時期にしっかり主張を出させてあげることが、本当に大事なんです。

長い人生の中のたかが1年半です。自分のやりたいことに逃げずに、子どもと徹底的に付き合ってください。ピークは2歳2〜3ヶ月くらいまでだし、2歳半を過ぎればだいぶ落ち着いてくるのがわかりますよ。

 

植松紀子先生インタビュー(2/4)

 

 

---抵抗も発達過程において重要な行動と分かっていれば、お母さんたちも途方に暮れることがなくなりますよね。

その通りです。子どもの発達のステップを見通せているということが、ママのストレス対策にはいちばん重要なんです。だから、自立期には泣きたいだけ泣かせてやる。暴れだしてもとことん付き合う、とどっしり構えて受け止めることが大事ですね。

たとえば、「この服着たくない」ってギャーギャー泣いて抵抗したとしても、無理やり着せないこと。「自分で好きなのを選んでみて」ってあらかじめいくつか服を用意してやれるくらいの心の余裕は、いつも持っていたいものです。

スーパーで「あれがほしい」ってそっくり返って泣いたときに、「かわいそうに・・・」なんて言われたって気にしなければいいんです。「そのうち泣き止みますから。うるさくてすみません!」と言ってやればいいんです。「どうしよう」なんてオドオドすると、子どもはもっとやります。

 

 

---言葉ひとつでも子どもの態度は変わると思いますが、言葉をかけるときに注意したいことはどんなことでしょう?

言葉かけは、本当に大切です。それも、「誰でも当たり前にできる」ことに対して、言葉をたくさんかけてあげてください。ご飯を食べられた、朝自分で起きられた、こうした当たり前の行動ができたときに、いっぱい言葉をかけてあげることです。

それも、「えらい」「すごい」という評価の言葉じゃなくて、「できたんだね。お母さんうれしい!」と、自分の感情を伝えてあげればいいんです。それが、「すごいじゃん。明日もやらなきゃね」というような感情のこもっていない言葉で伝えようとするから、子どものやる気は起こらないんです。

がっかりしたら、「お母さん、本当にがっかりした」って自分の気持ちを言えばいいんです。それなのに、「そんなことやると、嫌われるよ」とか「そんなことでどうするの?」などとひねた言葉を投げかけると、子どもは「訳の分からないこと言って…」と思うだけです。

別に、無理に「ほめよう」としなくてもいいんです。子どもがやっているありのままの行動に対して、自分が感じたことを伝えてあげればいいわけです。こうした言葉を、ぜひ3歳までの期間にたくさんかけてあげてください。

「3歳までが重要」というのは、1歳半から3歳までの第1次自立期に、人間としての基礎が出来上がるからなんです。この時期に、子どもとじっくり付き合い、毎日言葉かけをしてあげることです。すると、「自分のことは、自分でやっていくんだ」という自立心がしっかり育っていきます。

 

 

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