へそが出血し、血の塊ができてとれません

へそが出血し、血の塊ができてとれません

ちょうど生後1カ月になりました。へその緒は生後5日目にとれ、その後消毒と乾燥剤を続けてきたのですが、一度出血してしまい、血の塊ができました。その後もずっとアルコール消毒を続けてきたのですが、血の塊がまだとれません。どうしたらいいのでしょうか。

専門家の回答

臍帯の病気には、臍帯ヘルニア、腹壁破裂、臍炎、臍ヘルニア、臍肉芽、尿膜管遺残、臍腸管ろうがあります。臍帯ヘルニアや腹壁破裂は消化管がおなかから飛び出してしまう病気で、胎児エコーで診断されることが多く、新生児期に手術が必要な重度の疾患です。臍ヘルニアはいわゆる「でべそ」ですが、2~3歳で多くは自然によくなります。尿膜管遺残はへそと膀胱がつながっている状態、臍腸管ろうは小腸とへそがつながって状態です。へそがいつもみずみずしく、尿や腸液・便が出てくることで気づかれます。

今回のご質問は、へその出血が続く状態が1カ月になってもみられるとのことで、まず臍肉芽を考えます。「肉芽」とは血管の多い反応性の組織を言います。出血しやすいのは血管が多いためです。この臍肉芽の治療は乾燥や消毒では良くなりにくく、小児科にみてもらうことをおすすめします。それでもよくならないときは尿膜管遺残や臍腸管ろうを考える必要があり、小児外科や泌尿器科に相談します。

おへそは母と胎児をつなぐパイプラインですが、生まれると臍帯クリップで血液遮断し、切断します。切断されると臍帯と胎盤は無用となりますが、造血幹細胞が豊富なため家族の希望があれば臍帯血バンクに保存され、後日移植医療に利用されます。赤ちゃん側に数cmの臍帯が残りますが、数日で乾燥し「スルメ」のようになります。さらに数日で脱落し桐箱に入れられ、赤ちゃんの思い出となります。乾燥臍帯を保存する風習は日本と韓国にしかないと聞いたことがあります。他の国でもあるのでしょうか? 臍帯に関する病気は限られています。これは生まれると臍帯はなくなるので当然かもしれませんね。

※質問に対する答えはあくまでも「参考意見」としてお読みください。個人によって症状や対策は異なります。また、詳しくは診察してみないと判断できない場合もあります。
この記事の回答者
監修者プロファイル

監修者松井潔(まつい きよし)先生

愛媛大学医学部卒業
神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント
国立精神・神経センター小児神経科レジデント
神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て
現在,同総合診療科部長
小児科専門医,小児神経専門医,新生児専門医
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