つくばセントラル病院 産後ケアセンター いろは(茨城県牛久市)産後ケア施設レポート

総合病院の中にある産後ケアセンターという安心感

産後ケアセンター いろはは、つくばセントラル病院の産婦人科病棟の中にあります
師長代行の田上栄子さん

産婦人科病棟の師長代行で、助産師の田上さんにお話を伺ってきました。

田上さん「産後ケアセンターが病院の中にある事例は、つくばセントラル病院が初めてなんです。2016年の4月からスタートし、4年目に入りました。産婦人科病棟内にある産後ケアセンターなので、病棟の助産師が交代で対応しています。また、病院内の施設のため、万が一の時には心強いと思います。

産後ケアサービスは、日帰りケアと宿泊ケアの2つから選んでいただく形になります。産後すぐに産婦人科を退院せずにそのまま産後ケアセンターをご利用いただく場合や、ママの産後2週間健診時に授乳・育児不安があるということでご利用いただく場合などが多いです。メンタル面でも十分な時間をかけてフォローさせていただくので、ママさんひとりで悩むことは全然ないですよ。

牛久市、龍ケ崎市にお住まいの方は、市の補助があれば、日帰りケアで2,500円、宿泊ケアで5,000円と、安価に利用可能なサービスになっています。現在のところ、宿泊でご利用される方が多いです」

ママも休んでいいんだよ!

産婦人科の病室を使って産後ケアサービス(日帰りケア/宿泊ケア)を実施します

田上さん「産後のママさんはもっともっとのんびり過ごしていただいたらいいなと思っています。育児中にママがのんびりするというと、世間の目が気になる方もいらっしゃるかもしれません。でも、産後のママさんの大変さをきちんと理解してくれる世の中になってきている様子ですし、育児にちょっと疲れたな? と思ったらつくばセントラル病院の産後ケアセンターを思い出していただきたいと思います。

実際に産後ケアセンターを利用してくださった方からは、『話を聞いてもらってスッキリした』とか、『ごはんをゆっくり食べられたのでとてもリフレッシュできた』と好評です。最近は、赤ちゃんのお世話をおじいちゃんやおばあちゃんに助けてもらえないというケースも多く、そのような方にもぜひご利用いただきたいと思います。

我々助産師と一緒に過ごすことによって、子育てでストレスを感じて、自分の時間を持てない、寝る時間がない大変なママさんに“ママも休んでいいんだよ!”ということを伝えられたらと思っています。また、そういう認知活動も今後増やしていきたいです」

我慢して授乳することが当たり前と思わないで!

実際にどのような方が産後ケアセンターを利用されていますか?

田上さん「ママさんが育児に対して自分なりのプランをもって実践していく……ということもよいことですが、うまくいかないときには目先を変えてアドバイスさせていただくことで、スムーズにいくことがあります。

たとえば授乳で悩むママさんも多いかと思いますが、『授乳は痛いのを我慢してあげるもの』と思っている方がとても多いと感じます。『そうではないんだよ!』って。体勢を少し変えるだけでもかなり改善することがありますし、そのほかにもいろいろな解決方法があります。

つくばセントラル病院のスタッフは、母乳育児支援の経験が豊富な助産師ばかりなので、産後うまく授乳できない方もリズムとコツをつかんで授乳できるようになっていきます。産後ケアセンターでは、ママさんに実際にお越しいただいて、普段の授乳方法を見させていただいた上で、最適なアドバイスを心がけています。時間をかけてアドバイスできるので、ひとりで悩まず、ぜひご相談ください。日帰りの方でも十分に対応いたします」

最後に「ママさんのやりたいこと、ママさんの悩みを解決してあげること……私たちはママさんとのコミュニケーションを通じて、共に歩ませていただいています。なんでも相談してくださいね。聞いてはいけないことなんて1つもないんです」とおっしゃっていた田上さん。取材をしているときに、田上さんの人当たりの良さやスタッフさんたちのお母さん思いのところが随所に感じられました。

日本ではまだあまり知られていない産後ケア施設ですが、大変便利なものですし、産後のママさんにとってなくてはならない施設になっています。産後ケアセンターを利用する際に市町村の補助を受ける場合には、各市町村の保険センターに申請していただく必要がありますが、少しでも心配な方は事前に申請してみてはどうでしょうか。これからはママもラクに楽しく育児をする時代だと改めて思いました。

ベビーカレンダー編集部


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