きっかけは何気ない会話から…
息子が生後6カ月を過ぎ、その日も待ち合わせ場所でママ友を待っていたときのことでした。集合して思わず驚いてしまったのは、子どもたちの洋服が色も形も同じ物だったこと。仲の良いママ友との“偶然”に「やっぱり気が合うと好みも似ているんだね!」と伝えると、ママ友がひと言、「こないだSNSにこの服着ていた写真載せていたでしょ? だから買っちゃった~」とうれしそうに話し出しました。
その言葉に息子の着ている服をかわいいと思ってくれたんだなと思う反面、SNSで服の情報を書いたわけでもない子どもの日常の写真から、服を特定し購入をしたママ友の行動に少し驚いてしまいました。
エスカレートするママ友の行動
その後もママ友は会うたびに息子の持ち物と同じ物を買い揃え始めました。もちろん便利だと思った物のシェアは会話のなかでしていましたが、服を特定したときと同じようにSNSを通じて写真や動画に写る物をまねするように。
最初は「一点物というわけでもないし、気にしすぎかな……」と思っていましたが、次第にママ友のSNSにはまねして買った物を「自分が見つけました」というように、あえておすすめを紹介する内容になることも……。
その行動は物だけに収まらず、子どもの習い事や出かけた場所までにおよび、さすがにインフルエンサーでもない私にとってはその行動が怖くなりました。
救われたのは共通のママ友の存在
私はママ友のエスカレートする行動に、自分がSNSに投稿するからだと思い、投稿をやめてみることに。会う約束も先延ばしにし、距離をおこうと試みました。その行動にすぐに気づいたママ友は、今度はLINEを通じて、最近の近況報告や、息子の写真が見たい!などの返事に悩んでしまう連絡をしてくるようになりました。そのとき、同じ子育て広場で知り合った共通のママ友から連絡が……!
共通のママ友はSNSでも共通の友人で、明らかにまねをしている行動に気づき心配になったと連絡をくれたのです。連絡をくれたママ友に話を聞いてもらい、幸いにも子ども同士が今後同じ学校へ進学するなどといった関わりはなかったため、少しずつ距離をとり、まねをするママ友とは時間をかけながら疎遠になりました。
子ども同士も関わるママ友との交友関係は、ときに距離感を間違えてしまうと度がすぎてしまうことを学ぶ経験になりました。便利な物をシェアすることや、お揃いでリンクコーデを楽しむことも楽しいことではありますが、自分自身や子どもの個性も大切に子育てを楽しみたいと思った体験でした。
作画/キヨ
著者:伊藤 美里
3歳の男児の母。多忙な夫との3人家族で、ほぼワンオペ育児を楽しんでいる。料理と子どもが好きで、食に関する情報や自身の子育て経験を中心に執筆活動中。