長男に関する私の心配事
長男は2歳10カ月のときに、幼稚園の満3歳児クラスに入園しました。前年の暮れに私が次男を出産したため、長男を家庭でみるより幼稚園に行かせたほうがお互いにとって有意義だと思ったからです。
しかし長男は言葉の発達が遅い方で、2歳半まで単語を話すことができませんでした。そのため入園後にお友だちとうまくコミュニケーションがとれなかったときなどに、手を出してしまったらどうしよう、と私は心配していました。
恐れていた事態が発生
1学期早々、その不安は的中してしまいました。長男とお友だちが物の取り合いから喧嘩に発展し、長男が手を出すどころか、お友だちの腕を噛んでしまったのです。私は担任の先生からの電話でその事実を知り、すぐそのお友だちの保護者に電話をして謝罪しようと思いました。
しかしその保護者の連絡先を知らなかったため、先生に連絡先を教えてほしいとお願いしました。すると個人情報保護の観点から、連絡先を教えてもいいか、まずは相手の親に確認しますと言われました。ごもっともと思い、私は先生に確認を頼み、連絡を待ちました。
謝罪を断られてしまい…
しばらくすると先生から電話があり、そのお友だちのお母さんは「お互いさまだから気にしないでください」と言っていたとのことでした。つまり謝罪を断られてしまったのです。私はどうすることもできず、そのときはお言葉に甘えることにしました。そして私は長男を叱り、何がいけなかったのかを説明し、もうしないと約束させました。
しかしその後も、他のお友だち2人を噛むという行為を長男はやってしまったのです。そのときもまた謝罪しようとしたのですが、2人のうち1人のお母さんには、1度目と同じ理由で断られてしまいました。もう1人のお母さんとは以前から仲がよかったため、ひとまずメールで謝罪しました。
相手のお母さんの気持ちと私の気付き
するとそのお母さんは「わが子が同じことをしたらもちろん厳しく叱って謝罪するけど、こういうことはお互いさまだし、もうしっかり謝ってもらったんだから気にしないでね」と言ってくれたのです。そのとき私は気付きました。
もし長男と自分が逆の立場になったとしたら、相手がきちんと謝罪してくれさえすれば気にならないのではないか、と。けれどもそれはあくまで被害を受けた側が言うことであって、加害側の親子はしっかりと謝罪しなければならないと、もちろん思います。いずれにしても、長男と私はお母さん方の寛大な心に救われました。
幸い、長男がお友だちを噛んでしまうことは2学期以降なくなりました。私はこの出来事から、悪いことをしてしまったときは誠心誠意謝罪するという、ごく当たり前のことの重要性を再認識することができました。同時に、人を許すという寛大な心を持つことの大切さも教わったのです。これからはこの学びを子どもたちに伝えていこうと思っています。
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監修/助産師REIKO
著者:今岡めい
6歳と3歳の超わんぱく兄弟を育てるママであり、フリーライター。「子育てで一番大切なのは母親が笑顔でいること」「幼児期最大の英才教育は遊びである」をモットーに掲げ、日々テキトー育児を繰り広げている。