末っ子の前髪を結っていた理由
私は赤ちゃん筆を作ろうと計画していたので、そのために末っ子の前髪を伸ばしていました。前髪が目にかかってきたので、末っ子の前髪をゴムで結んで保育園へ通わせることに。
韓国では赤ちゃん筆を作る文化がないので、特に保育園の先生へ前髪を切らない理由は説明していませんでした。髪を結んだ状態で保育園へ送った2日目のことです。自宅で家事をしながら過ごしていると、10時30分ごろ、末っ子の担任の先生から電話がかかってきました。
※韓国では、保護者の就労の有無に関わらず、保育園への入所が認められています。
先生から電話……その内容に絶句!
こんな時間に何だろうと思い電話に出ると、担任の先生が「お母さん、末っ子くんの前髪を切りましたが、よかったですか?」というのです。私は驚きとショックのあまり、すぐに状況が理解できず「えっ!? 前髪を……切った?」としか答えられませんでした。「前髪が目にかかっていたので……」と経緯を説明し始める先生。
やっとの思いで、記念品を作るために前髪を伸ばしていたことを伝えると、先生は自分がしてしまったことの重大さに気づいたのか「すいません」と謝り始めたのでした。
電話を切ったあとに湧き上がる怒り
電話を切り冷静になると、ふつふつと怒りが込み上げてきました。「切ったけれどよかったですか?」と事後報告されたことが理解できず、なぜ切る前に電話してくれなかったのかと思いました。そして、生まれて1度も切っていない末っ子の髪を、家族ではない先生が無断で切ったことなど、怒りと悲しみが止まりません。
夫に電話で報告すると「俺が代わりに保育園へ電話をして気持ちを伝えようか?」と言ってくれました。しかし、もうことは起こったあと。苦情を言ったところで、髪の毛はもとには戻りません。
その後、夫と相談し、今後は子どもたちに対し勝手な行動はしないでほしいということを、担任と園長先生へ伝えることにしました。それでも、担任の先生に会ったら気持ちをぶつけようと思っていた私。しかしいざ保育園へお迎えに行くと、前髪を切った末っ子の姿が想像以上にかわいすぎて、よく似合っている前髪を見て「もういいか……」と怒りが収まってしまったのでした。現在、末っ子の赤ちゃん筆を作るために後ろの髪を伸ばしているところです。
著者:山口まなみ/女性・主婦。4歳の娘と1歳の双子の男の子の母。韓国人の夫と家族5人で韓国に在住。海外での子育てやバイリンガル教育に奮闘する自身の体験談を執筆中。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています