毎日精一杯の私
長男が幼稚園に通い始めて、「少し自分の時間ができる!」と期待していた私。しかし、今度は次男がおしり歩きをし始めて家の中の物を触りまくり、自我も出てきて私は次男から目が離せません。
また、幼稚園で頑張っている長男は、幼稚園から帰宅すると疲れているせいかかんしゃくを起こし、1時間大泣きの毎日。結局、長男がいない間も家事と育児に追われ、バタバタ時間が過ぎていき、子どもを寝かせるとともに私も寝落ちしてしまいます。
夫の行動にキレる私
フランス人の夫は仕事から帰宅すればキス、起床すればキス、テレビを観てリラックスしている間も私の手をつなぎたがります。私の周りに子どもがいない瞬間を狙ってくっついてくることも多々。夫にとっては、私とのスキンシップは夫婦間のごく当たり前の行動なのです。
しかし、まったくひとりでゆっくりできる時間がない私は、夫の行動が身勝手に感じられました。ある日、私に近づいてくる夫に「いい加減にして! もう誰も近づかないでよ!」 と叫んでしまったのです。
変わる夫
夫はそんな私の叫びに驚き、「あ、ごめん。どうしたの?」と。私は「みんな自分勝手で疲れる! 私は1人しかいないし、静かな時間がほしい。私を大事に想うなら子どもの面倒をみて!」。ここぞとばかりに毎日の育児のストレスと、夫の行動への不満をぶちまけたのです。
夫は「ごめんね。少しでも君の時間ができるように努力するから」と言って、その日から家にいる間は子どもとよく遊んでくれるようになりました。
子どもが生まれる前は、フランス人の夫の行動に違和感は覚えず、ただの愛情表現の1つだと思っていました。しかし、子どもが生まれて生活ががらりと変わってしまい、自分の時間がまったく持てない私は夫の行動が苦痛でしかありませんでした。不満をぶつけたことで、夫も私を理解してくれ、今では子育てを積極的に手伝ってくれるので感謝しています。
監修/助産師 松田玲子
イラストレーター/ムチコ
著者:岩見 エリ
2人の男児の母。看護師歴12年、フランスで出産し子育て中。