わが家の教育方針
わが家には4人子どもがいます。子どもたちが通っている学校は幼稚園から大学まである私学。幼稚園から小学校へ上がる内部進学では、特別な勉強をしなくても大丈夫という言葉をよく周りのママたちから聞いていました。
「子どもたちには整っている環境の中で質の良い教育をつけさせたい。でも受験勉強はさせたくない」と思っていたので、私たちにとっては魅力のある学校でした。内部進学では特別な勉強をしなくても大丈夫と聞いていた通りに、1番上の長女はとくに受験勉強をせず、小学校内部入試に合格しました。
長男の結果
長女はスムーズに合格したので長男も同じく受かるだろうと思い、とくに勉強させることもなく長女のときと同じように過ごして受験。翌日のインターネット合格発表を見ると、まさかの「不合格」の文字。
頭の中が真っ白になり、子どもたちみんなを同じ小学校へ行かせたいと思っていた計画が崩れようとしていました。いろいろと悩みましたがこのまま悩んでいても仕方がないと思った私。まず、姉と一緒に小学校へ通うのを楽しみにしていた長男に試験がダメだったことを報告することにしました。
息子の気持ち
長男に「小学校のテストだめだったよ。お姉ちゃんと同じ学校に通えないよ」と報告すると、息子は「うん」と言って静かに涙を流しました。涙を見て私は心が痛くなりました。息子に「どうしたい?」と聞くと、「お姉ちゃんと同じ学校へ行きたい」と返答が。
落ちたのは内部試験。まだ一般試験があります。内部試験とは違い、外部から受ける受験生と同じ条件となり、内部生が優位などありません。私たちは悩みましたが息子が行きたいと言うのであればサポートするのみ! 一般で受験可能か学校へ問い合わせました。
試験までの1カ月
小学校からは「一般入試で受験していただいても大丈夫です」と返事をいただきました。「お勉強いっぱいしないとお姉ちゃんと同じ学校には行けないよ」と息子に説明したところ、息子は「頑張る!」と言って、それからは毎日、何時間も勉強するように……。私から「お勉強の時間だよ」という前に、「ママ、もうお勉強の時間!」と自ら進んでしてくれました。
私はもともと幼い子どもに受験勉強をさせたくなかったので、「毎日、これでよかったのか……?」と自問自答する日々。心が折れそうになることも多々ありました。しかし、息子の姿を見て成長を感じたのも事実です。1カ月後の試験当日は「テスト、楽しんでしようね! 今まで頑張ったからきっと大丈夫!」と言って臨みました。
合格発表は、無事「合格」を頂きました。「本当に長男は頑張った!」と、私はうれしさと誇らしさでいっぱいでした。小学校受験は親の受験とも言われていると聞きます。私は「親の言葉や考え方1つで、子どもにつらい思いをさせてしまうことがあるのだな」と思いました。多くの後悔と苦悩があり、長男に対して「ごめんね」と思っていました。しかし、長男にたくさんのことを学ばせてもらい、今では「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。
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監修/助産師 松田玲子
著者:中村 望
8歳、6歳、3歳、0歳の4人育児中のママ。長年、事務員として勤務していたが出産を機に退職。1人目の育児が少し落ち着いたときに趣味として始めた習い事で、現在では指導者として教室を運営。ママ目線での執筆活動もおこなう。