話す言語が違えば厳しく訂正
息子が3歳になり、オーストラリアの保育園に通い始めると、やはり英語での生活時間が長いため息子は英語を習得していきました。そして、私と話すときも英語を使用することが増えました。しかし、息子に日本語を覚えてほしい私。ここで私が折れて英語で話してしまうと、日本語を諦めることになってしまう、そう思い、息子に「お母さんには日本語で!」と、強く言い聞かせていました。まだ言語が確立せず、言いたいことが100%言える状態でもない、伝えるだけで精一杯だったはずなのに……。
そして毎回、注意したあとに「私たち親の都合で2カ国語生活になっているのに、親の方針を押し付けてしまって本当にごめんね」という気持ちに襲われ、悩んだのでした。
ひらがなを覚えさせるため必死になる私
息子が4歳くらいになると、保育園で文字を書く機会が多くなりました。保育園で習う言語はもちろん英語です。それを知った私は「このままでは、書く=英語になってしまう、ひらがなだけは覚えさせなきゃ」とまた焦り始めてしまいました。
そして国語ノートにひらがな表、かるたに絵本など、あらゆる教材を日本から取り寄せ、必死に日本語が書けるよう練習させたのです。ちゃんと書けるようにしなくては、ひらがなくらいは読んだり書いたりできるようにしないくては、そんな気持ちの焦りから、息子をきつく叱り、泣かせてしまうことも多々ありました。
12歳になった息子の現状
12歳になった息子は、保育園、幼稚園、そして今は小学校と、オーストラリアの現地校にお世話になり、英語はローカルの子どもたちと同じように問題なく習得できています。
日本語はというと、毎日キリキリと私に怒られながらも読む・書く・話すの勉強を頑張ったおかげで、今ではひらがなだけでなくカタカナや、簡単な漢字も読み書きできるようになりました。好きな漫画や、テレビ番組も難なく楽しめているようです。これはまさに息子の頑張り、努力と涙の結晶だと思います。
振り返ると、親の都合で厳しい日本語習得を強いてしまい、本当にごめんねという思いが残っています。今は勉強方法も習得して習慣になっているので、これから先は日本語の勉強に関しては一切、親が口出しする必要はないと思っています。とても厳しくしてしまったけれど、いつか大人になったときに勉強しておいてよかったと思ってもらえたら、これ以上うれしいことはありません。
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監修/助産師 松田玲子
著者:松本 奈緒
海外にて、バイリンガルの7歳と11歳の男の子のママ。将来を担う子どもたちの海外での日本語教育や、日本での英語教育に力を注ぐライター。