後追いの始まり
息子は、ハイハイができるようになった生後8カ月ごろから、私がトイレに行ったり姿が見えなくなると泣きながら追いかけてくるようになりました。つかまり立ちやつたい歩きができるようになると、歩いて私を追いかけようとするのですが、まだ倒れやすいので頻繁に転んで頭をぶつけてしまうのが心配で仕方ありませんでした。
あまりあとを追って歩くことがないように、私が家の中で移動するときには抱っこで連れて行くようにして、できるだけ息子の視界にいるように気をつけていました。
おんぶで腰痛に
後追いが始まって以降、料理など危ない作業をするときは抱っこひもで息子をおんぶするようにしました。しかし生後9カ月を過ぎた息子の体重は8kgを超え、おんぶの状態で1時間ほど料理をしていると腰痛が深刻に⋯⋯。
このままでは育児だけでなく生活に支障が出るかもしれない……と危惧した私は、短時間でもいいから息子がひとり遊びをできるようにしようと考えました。
ママが持っている物で遊びたい
きっかけは後追いで泣いてしまった息子を抱っこしながら、冷蔵庫に貼ってあった買い物メモをチェックしていたときです。メモを止めるために使っていたキャラクターもののマグネットに興味を示した息子が、抱っこから身を乗り出して手に取ろうとしたのです。
息子は以前から、カメラや携帯電話など大人が使っているもので遊びたがる傾向がありました。なので、大人が手に取って遊んで見せることで、興味を持てば飽きることなく遊べるのでは?と考えついたのです。
自ら抱っこから降りるように
それからは、私が家事をするときなどひとりで遊んでいてほしいときに、抱っこのまましゃがみこんで、息子に見える位置で積み木で遊んで見せることにしました。最初は私にしがみついて離れなかったのですが、1分ほどすると私の手元をじっと見て興味を示し、やがて私が持っている積み木を手にとって遊び始めるようになったのです。
そして、遊びに集中すると自分で私のひざから降りて、その後2、3分はひとりで遊ぶことができるようになりました。料理など時間がかかる作業のときは、息子が泣いたら抱っこし、落ち着いたら再び遊んで見せるというのを繰り返すことで、少しずつ自分で遊べる時間も長くなっていきました。
おもちゃで遊んでいるのを息子に見せることで、私自身もひと一呼吸置いて気分転換ができます。やることがあるから、息子を早く降ろさなくてはという焦りを一旦落ち着かせることで、気持ちに余裕を持つことができました。また自発的にひとり遊びができると泣く時間も短くなり、私が罪悪感を感じることが減ったのもうれしい変化です。
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監修/助産師 松田玲子
イラスト/imasaku
著者:木下りん
0歳男児の母。東京と長野を行き来する生活。お出かけ大好きな息子とのお散歩が日課。