イヤイヤ期の娘とショッピング
最近、1歳半の娘はイヤイヤ期に入り始めて、靴を履くのも帽子を被るのも上着を着るのも嫌! と主張します。2人目の子育てなのに、我の強い娘にイライラする毎日が続いていました。先日、このままでは私の精神状態がおかしくなると思い、4歳の息子を幼稚園に預けたあと、気分転換に娘とショッピングモールへ買い物に行くことに。おいしいごはんでも食べてリフレッシュしようと思い、娘の大好きなカートに乗せようとすると、目の前の人が最後の一つを使ってしまいました。それを見た娘は大泣き。カートに乗れないとわかり床に転がり始めました。私は「また始まった」と心の中でため息。
そこにスマホを持ちながら歩いてきた、70代くらいのおじさんが、泣きわめく娘を見て「うるせぇな~静かにさせろよ」と言ってきたのです。すでに平常心ではなくなっている私はイラッとしましたが、淡々と「すみません」と謝り、娘を移動させようとしました。しかし頑固な娘は抱っこも嫌がり泣き続けます。「だからうるせぇって言ってるだろ! 早く黙らせろ! 寝転がってるなら踏んづけてやろうか!」と、おじさんが信じられない発言。そればかりか、娘を踏みつける素振りまでしたのです。
さすがに私はおじさんに「それはやめてください! 娘が怖がります」と声をあげました。それでもおじさんの気落ちはおさまらない様子。「母親が静かにさせられねぇなら俺がしてやるよ!」と、暴れる娘のぎりぎりまで足を下した瞬間、バチンっとぶつかった音が。暴れていた娘の手とおじさんの靴が激しく当たったのです。娘はとても痛かったのか、さらに大きな声で泣き始めました。「やめてください! あなたのせいで余計大きな声で泣き始めたじゃないですか! けがしたらどうするんですか!」と私は強い口調で注意しました。おじさんは「たまたま当たっただけだろ。そもそもこいつが暴れなけりゃ当たってねーよ!」と謝る様子がありません。
そのとき、「じいちゃん、やめなよ」と通りすがった人の声が。どうやら、おじさんのお孫さんのようでした。中学生くらいの少年は続けて「まだ小さい子どもに、それはひどいよ! こっちが恥ずかしくなる。ちゃんと謝れよ!」と一喝。孫には頭が上がらないのか、孫に叱責されて恥ずかしいのか、おじさんは急に真顔になり、「す、すまんかった……」と謝罪してくれました。私は少年に「ありがとう」とお礼を伝えました。その場を離れたあとも、おじさんは少年からずっと注意を受けていた様子。おじさんの背中がとても小さく見えました。
あのとき、少年が声をあげてくれなければ、事態はさらに悪化していたかもしれません。身内であっても悪いことは悪いと一喝した少年の真っ当な正義感に、私は心から救われました。
同時に、外出先では誰もが味方をしてくれるわけではなく、予想もしないトラブルが潜んでいるという厳しい現実も突きつけられました。どれほど育児に疲れ、余裕がないときであっても、優先すべきは子どもの安全だと思いました。感情に振り回されず、何があっても毅然と子どもを守り抜く強さを持たなければならないと、改めて身が引き締まった出来事でした。
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子どもを連れて外出する中で、思いがけず身の危険にさらされる可能性があることを、改めて考えさせられる体験でしたね。お子さんにもママさんにも何事もなく、本当によかったです。
もし外出先で突然怒鳴られたり、威圧的な態度を取られたり、危害を加えられそうになったりするなどして、「怖い」「危ない」と感じたときは、無理にその場にとどまらず、すぐに距離を取りましょう。近くにいる人に助けを求めたり、ショッピングモールや駅であれば、スタッフや警備員に相談したりするのも大切です。緊急性がある場合は、ためらわずに110番することも、自分と子どもを守る行動のひとつです。
怖くて声が出ないこともありますが、「助けてください」と周囲に伝えるだけでも状況が変わることがあります。
ひとりで抱え込まず、頼っていい——
そのことを、忘れずにいたいですね。
著者:木村凛/30代・ライター。4歳と1歳の兄妹を育てる転勤族ママ。繊細な長男と怖いもの知らずな娘の対応に追われる毎日。子どもを寝かせて自分磨きの時間も大事にしている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)