子どもに注意されたママ友は…?
娘が生後10カ月のころ、児童館で同い年の男の子を育てるママ友と知り合いました。明るい性格ですが、豪快すぎる一面もある人です。ある日、ベビーカーを押して公園で歩いていると、突然そのママ友が手で口も押さえずに大きなくしゃみをしました。「あはは~! 外だと気持ちよくてさ! あー、スッキリした」と笑う姿に、私は思わず固まってしまいました。外とはいえ、飛沫が子どもにかかったらどうしようとヒヤヒヤしたのを覚えています。
それから約1年後、2歳になった子どもたちは同じ保育園に通うことになったのです。仕事が忙しく、以前のように頻繁に会うことはなくなりましたが、久しぶりに近況報告を兼ねて遊ぶことにしました。子どもたちを連れてパン屋へ行き、棚の前でパンを選んでいると、「ハックショーン!」と、ママ友の豪快なくしゃみが響いたのです。しかも今回も手で押さえていません。無防備な口からは飛沫が飛び、並んでいたパンにかかる勢いです。
私は思わず「えぇ……」と心の中でため息をつき、周囲のお客さんも露骨に嫌な顔をしてドン引きし、手に取ろうとしたパンを棚に戻しました。「ウケる! めっちゃシーンとしちゃった! うるさいくしゃみですみませ~ん!」と全く空気を読まないママ友に、私が注意すべきか迷っていると、「ダメ! ママ、バイキン飛んだよ! 全部買わなきゃいけないよ」と2歳の息子くんが大きな声で言いました。さらに私の娘が「おててでマスクするんだよ!」と大声で叫んだのです。
2人とも保育園で先生から何度もマナーを教わってきたらしく、とても真剣な顔つきです。一瞬ピシッとする店内の空気。ママ友は驚いたように固まり、周りの視線にも気づいたのか、小さな声で「ごめんね……気をつけます」と顔を真っ赤にして言いました。そして、くしゃみが飛んだと思われる付近のパン約20個をすべてトレイに乗せて購入することに。
子どもたちに注意されて反省する姿を見て、私はスカッとする思いでした。ただ、私が以前から注意していれば、お店に迷惑をかけることはなかったのかも……と少し後悔しました。とはいえ、まさか食べ物が並ぶお店でも口元を抑えないとは思っておらず、衛生観念は人それぞれ違うのだと実感しました……。
それ以来、ママ友の豪快なくしゃみを見ることはありません。子どもたちのまっすぐな正論が教訓になったようで、よかったです。子どもたちがママ友の行動を見て「間違っている」と判断できていて頼もしいと感じたと同時に、大人がマナーを守る姿をしっかり見せなければと、改めて実感した出来事でした。
著者:松原櫻子/40代・ライター。2歳の娘を育てる母。イヤイヤの地雷を踏まないように、日々忍者のごとくそろりそろりと歩いている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)