伝えた瞬間から赤ちゃん返り
上の子の3歳の誕生日前日に妊娠していることがわかりました。「おなかの中に赤ちゃんがいるんだよ」と伝えると、自分は赤ちゃんだと言い出し、毎日「でちゅ」「バブ」と言って今まで以上に甘えるようになったのです。寝るときはお人形用のミルクをくわえて寝るようになったり、よく泣いてわがままが多くなったりと、明らかに情緒不安定になっていました。
上の子は感受性が豊かな子で、周りのこともよく見ています。きっと赤ちゃんが生まれたらママを取られてしまう、自分も赤ちゃんになれば今までどおりかわいがってもらえる、と思っていたのでしょう。
きょうだい誕生がテーマの絵本を読む
上の子の不安ができるだけ和らげばと思い、妊娠中にきょうだいが生まれるというテーマの絵本を読んであげました。そのなかでも、私たちが特に気に入った絵本が長谷川義史さん作の『おへそのあな』と、瀧村有子さん作の『ちょっとだけ』です。
『おへそのあな』は赤ちゃんと会うのが楽しみになるような絵本で、『ちょっとだけ』は上の子の寂しい気持ちに寄り添ってくれる絵本です。私は本屋で『ちょっとだけ』を読んで涙ぐんでしまいました。
赤ちゃん時代の写真を一緒に見返す
赤ちゃん返りの対策としてもう1つおこなったことが、上の子が新生児から1歳ぐらいの写真を一緒に見返すことです。上の子もつきっきりでお世話されていた時代があり、ずっと愛されていたことを伝えたくて、沐浴しているところ、おっぱいを飲んでいるところ、離乳食を食べているところなど思い出話をしながら見ました。上の子はすごく喜んでくれましたし、赤ちゃんについてイメージできたようなので、やってよかったと思いました。
ママの妊娠中、上の子は抱っこなどを我慢しなくてはならないし、「お姉さんになる」と突然言われ不安な日々だったと思います。少しでも不安な気持ちを解消できればと、できる限りのことはやったつもりですが、それでも赤ちゃん返りは下の子が生まれてしばらく続きました。
家族が増えるという大きな変化ですから、仕方がないことだと思います。もし上の子の気持ちに寄り添ってケアをおこなっていなかったら、もっともっと赤ちゃん返りが長引いて大変だったのではないかと感じています。
監修/助産師REIKO
イラストレーター/大福
著者:小川恵子
5歳と1歳の姉妹の母。育児サークルの幹部や習い事、執筆活動など、精力的に育児を楽しんでいる。